カーダシアン事件の驚くべき真相 「最後のヤマ」で12億円奪った老年ギャング団

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さらに、エ・ケダシェの交際相手だった70歳の女と、27歳の息子も逮捕された。息子は5人を車で現場に運んだ運転役だったとされる。パリ・マッチ誌は事件後の犯人らの様子を次のように報じている。

「こめかみに白髪が混じった男たちは、談笑していた。4人は肌寒い12月であるにもかかわらず、パリのカフェのテラス席に座っていた。(…)1950年代に育ったディディエとアオマル、ピエール、ユニスは、犯罪者として知られるようになった。ある捜査官は、『古い世界の古い人間たち』が『カーダシアン強盗団』として話題をさらったのだと語った」

「あの日パリで彼らは、満足を通り越し、歓喜していた。ここ20年で最も大規模かつ華麗で、自分たちの長い犯罪歴で恐らく最後となるヤマを遂行し、900万ユーロの強奪に成功したのだ。テーブルを囲んだ彼らは、うまく逃げおおせたと思い込んでいた。残るは金の分配のみ。それぞれが役割を果たし、それぞれの分け前を受け取る…」

事件はカーダシアンに恐怖の体験をもたらしただけでなく、テロ事件の頻発で既に悪化していたパリのイメージをさらに傷つけた。パリの観光需要は特に富裕層の間で低下しているという。ルポワン誌はこう報じている。

「米国のリアリティー番組スターが襲われた事件により、裕福な旅行者にとってのパリの(危険な)イメージは完全なものとなった。高級ブランド・ファッション業界の市場規模が172億ユーロであることに鑑みると、目も当てられない状況だ」

翻訳・編集=遠藤宗生

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