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フリーランスのライター・編集者

パヌ・パリヤッカ/Panu Paljakka(25) 「スタートアップ・サウナ」のCEOとしてプログラムを率いる。アアルト大学に在学中で、専攻は数学と物理学。2014年には学生起業団体「アアルトES」の副委員を務めた(写真はサウナを模して作られた会議室で撮影)。

ヘルシンキには世界各国から毎年応募が殺到する起業支援キャンプ(いわゆるアクセラレーター・プログラム)がある。その名はいかにもフィンランドらしい、「Startup Sauna(スタートアップ・サウナ)」。フィンランドの家にはバスタブはなくてもサウナはあると言われるほど、国民はサウナ好きなのだ。

いったいこのキャンプでは、どのようにしてスタートアップの成長を「アクセラレート(加速)」しているのか。スタートアップ・サウナのCEOを務めるアアルト大学の学生、パヌ・パリヤッカに聞いた。


――「スタートアップ・サウナ」はどのようにして始まったのでしょうか。

スタートアップ・サウナのルーツは2008~09年にさかのぼります。

当時のフィンランドでは、「起業」や「スタートアップ」に対する雰囲気が、今ほど肯定的ではありませんでした。優秀な学生はノキアやコンサル、金融などに就職を目指していました。起業はクールだと思われていなかったし、そもそもキャリアの選択肢になかったように思います。

そんな中、08年にアアルト大学の学生たちがアメリカへスタディツアーに行って、スタートアップのエコシステム(生態系)を目の当たりにしたんです。そこでは起業家として成功した卒業生たちが大学に戻って、自分たちのビジネス経験を後輩に伝えていました。そういう環境をフィンランドでも実現させたいと思ったのが始まりです。

帰国後、「アアルト・アントレプレナーシップ・ソサエティ」(アアルトES)という学生組織が作られました。アアルトESは起業に興味のある学生や若者たちを対象に、ハッカソンやブートキャンプなどいろんなイベントを開きました。そのイベントの一つとして、10年に始まったアクセラレーター・プログラムが「スタートアップ・サウナ」です。だから、スタートアップ・サウナは、学生運動から始まったと言えますね。

――学生には一般にビジネスの経験も知識もありません。どうやって起業のダイナミズムを生むことができたのでしょうか?

いろんな理由があると思います。まずタイミングがよかった。その頃(08~09年)、ちょうどノキアの経営が傾き始めていました。一方、Rovio(ゲームアプリ)が急成長して、メディアなどで大きく取り上げられました。世間の人々がスタートアップに関心を持つようになったんです。

また、フィンランドの著名な起業家たちも、講演を引き受けたり、イベントのスポンサーを紹介してくれたりと、学生をサポートしてくれました。規模は小さくても、そうした助け合いのコミュニティが作られていきました。イベントの運営主体は若者たちですが、経験豊かな大人がいつも支えてくれたんです。

たとえば、スタートアップ・サウナは現在、僕を含めて3人の学生委員で運営していますが、「コーチ」は80人くらいいます。連続起業家や投資家など、スタートアップ業界の経験豊富な人たちがコーチを務めてくれています。彼ら全員がプロボノ、つまり無償でこの仕事を引き受けてくれているんです。

――スタートアップ・サウナはNPOということですね? 参加企業は「参加費」を支払っているのでしょうか?

いいえ、完全に無料で、参加企業からは株式も受け取っていません。いわゆる「ひもなし」です。僕がいつも好んで言うせりふは、「儲けるためのビジネスではなく、スタートアップを手助けするためのビジネスをしている」ということです。

5年くらい前から、世界中にいろんなアクセラレーターが登場していますが、ビジネスとして成功させるのはものすごく難しいように見えます。だから、僕らはそういうやり方からは距離を置こうと決めたんです。

Interview and Photographs by Yasushi Masutani

 

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