その一方、海外企業との競争を避けながら投資を受けてきた現地のテック企業は、繁栄している。BATとして知られるバイドゥ、アリババ、テンセントは顧客と物、サービスをつなぐ一体的なプラットフォームを形成する。
ブルームバーグによると、検索エンジンで中国3位のSogou(搜狗)は米国で50億ドル(約5,600億円)規模のIPOを計画している。Sofu(捜狐)の子会社で、テンセントの出資も受けるSogouのCEOワン・シャオチュアン(王小川)はブルームバーグの取材に、「IPOで調達した資金を、検索サービスの改良に投じたい」と語った。
中国から早々に撤退する企業もある。ネットフリックスは規制の壁を理由に、中国でのストリーミングサービスからわずか1年で撤退した。しかし、グーグル、アップル、マイクロソフトは戦いをやめていない。これらの企業の中国での起伏に富んだ歩みを紹介する。
グーグル
2005年にマーケットリーダーの座を目指して北京に拠点を開設したグーグルは、2010年に中国からのアクセスを香港サイトに転送することで、中国での検索事業から手を引いた。現在も中国ではGメールやユーチューブにはアクセスが出来ない状態だ。
中国のスマホユーザーにとって、アンドロイドは主要なOSだが、グーグルが排除されているため、アプリストアやマップなど収益を生むサービスを活用できない。グーグルは昨年10月、中国の人工知能企業Mobvoiに出資し、同国で初めて直接投資を行った。グーグルは今でもグーグルプレイのアプリストアを世界最大のスマホ市場である中国で展開したいと望んでいる。
フェイスブック
フェイスブックは新疆ウイグル地区で大規模騒乱が発生した2009年に、中国でブロックされた。背景には新疆の独立派のコミュニケーション手段として使われていたことがあると見られている。傘下のインスタグラムも香港で民主化デモが発生した2014年にアクセスできなくなった。
フェイスブック創業者のマーク・ザッカーバーグは中国びいきを隠さず、習近平国家主席とも面談を重ねてきた。ニューヨーク・タイムズは昨年、フェイスブックが特定のエリアで投稿を検閲できるソフトを開発していると報じている。