トランプ政権を操る「謎のブロガー」 28歳の異常すぎる存在感

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保守系ニュースサイトに勤務の過去も

ゴーカー・メディアがジョンソンとティールの共通の敵だとしたら、両者にとっての共通の味方はトランプのアドバイザーで首席戦略官のスティーブン・バノンだろう。バノンは、ジョンソンがかつて勤めた保守系ニュースサイト「ブライトバート・ニュース(Breitbart News)」の会長だった人物だ。昨年12月の電話インタビューで、ジョンソンはバノンについて、「私はバノンの近くで働き、彼を尊敬している」と述べている。

ジョンソンとバノンは、昨年10月に行われた2回目の大統領選討論会の直前に、ビル・クリントン元大統領を性的暴行で訴えた女性4人とトランプによる記者会見を開催した。被害者とされる女性の一人、キャサリン・シェルトンは、1975年にビル・クリントンからレイプされたと主張しているが、ジョンソンは彼女のために1万ドル以上の寄付を集めている。

ジョンソンは先月、フォーブスに対して次のように述べている。「自分の元上司が米国大統領の相談役になったら、気安く間違いを指摘できなくなる」。バノンの広報担当であるAlexandra Preateにコメントを求めたが、回答を得ることはできなかった。

最近では、ジョンソンの友人であるMike CernovichとJeff Gieseaも政権移行チームと面談していることが確認された。この2名はトランプの大統領就任式の夜にワシントンD.C.の全米記者クラブで行われる「DeploraBall」と銘打った支持者向けパーティーを企画し、これまでに1,000枚のチケットを販売している。このパーティーの目的は「トランプの大統領選勝利まで政治的に無視されてきた人々に発言権を与える」ことだという。ジョンソンに、これまでの活動に対する功績をトランプ側から認められているかと尋ねると「私が期待しているほどは認められていない」という答えだった。

ジョンソンは、トランプ支持活動が大きな成果を挙げた要因は、ミーム(インターネット上で爆発的に拡散する単語や顔文字、画像など)によって多くの有権者の感情に訴えることができたことだと分析している。「ペペ・ザ・フロッグ(Pepe the Frog)」というカエルのキャラクターがトランプ支持者の非公式マスコットとなったことなどが良い例だ。ジョンソンは、最近の人々はミームを使い、感情に基づいて政治的主張を行うようになっていると指摘する。実際、ジョンソンらが拡散した事実に基づかない情報に多くの人が反応し、トランプ勝利の大きな流れを作った。

「大統領選の勝因は、多くの人がミームを生み出したことだ。ミームによって新しい大統領が誕生したのだ」とジョンソンは話す。

編集=上田裕資

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