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2017.01.29 17:30

他社が目をつけなかったファン層を獲得、玩具メーカー「ファンコ」の飛躍


これが同社に巨額の利益をもたらしている。ファンコの2016年の収益は4億2,500万ドル(約480億円)。収益は毎年2桁の伸びを記録しており、5年以内には(他社の買収なしに)10億ドルに達することが可能だと見込んでいる。ウォルマートでの売上は前年比300%増で、2017年春から全ての店舗でファンコ製品が販売される。

同社の事業の44%はバットマンやスター・ウォーズなど不動の人気を誇る製品で、そのほかの55%がテレビ番組や映画の関連グッズが占める。2016年にはトップ10映画のうち9つと提携した。

フィギュアなどの収集というと、映画『40歳の童貞男』でスティーブ・カレルが演じたようなオタクを思い浮かべがちだ。しかし「今では当社の顧客の55%が女性だ」とマリオッティは言う。ポップカルチャーは200億ドル(約2.2兆円)規模の市場で、顧客の平均年齢は30歳、つまりそれなりの金額を趣味に費やすことのできる年代だ。

ファンコの製品の多くは10ドル(約1,130円)未満で、多くのコレクターにとって手の届きやすい価格だ。マリオッティは主にボブルヘッド(首振り人形)を製造していた頃に同社を買い取り、製品ラインを変え、パッケージもコレクター受けしやすいものに変更した。現在のパッケージは目立つ場所にコレクター番号が記載されており、積み上げて保管しやすいようになっている。

ワシントンと拠点とする同社は、2015年に未公開株投資ファンドのACONインベストメンツがファンダメンタル・キャピタルから買収した。今のところは非公開企業だが、財界への働きかけを行っており、これが株式公開に向けた動きを示唆している可能性もある。

編集=森 美歩

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