今回の調査では、エコ認定ワインのスコアは平均4.1ポイント高い結果となったが、認定歴(年)がスコアにマイナスの影響をもたらした。研究者はこの理由として、初期のエコ認定申請者たちが品質の悪いワインを生産した可能性があると考えている。消費者がエコ認定ワインに対して否定的な見方をしている理由も、そこにあるのだろうか。
エコ認定ワインについて、ワイン・アドボケートの評価はワイン・スペクテーターに比べて平均12.1ポイント低く、ワイン・エンスージアストはワイン・スペクテーターよりも7.4ポイント高かった。また、全体として赤ワインの方がより高いスコアを獲得した。
また研究では、評論家たちがワインについて説明する際に使用した言葉にも注目した。例えば品質を説明する際に使われる言葉(バレルやエクセル)は、エコ認定ワインの説明に頻繁に使われた。ワインの味については、酸味やバター、ピート、ハーブといった言葉が使われていた。
最終的に研究者たちは、エコ認定されたワインの方が「専門家」にとっては味が良いようだと評価。一方で、評論家によるスコア評価には好みに左右される可能性があるとしている。
この点について筆者が思うのは、人々の好みが本当に品質の“証拠”になり得るのか、この研究では示されていないということだ。品質は主観的なものではない。少なくとも、そうであってはならないはずだ。
研究の概要は2016年11月3日発行のジャーナル・オブ・ワイン・エコノミクス(第11号)に掲載されている。