ビジネス

2017.01.17

「米国を再び偉大にする」経済政策、トランプにとっては吉か凶か

Photo by Jeff J Mitchell/Getty Images


トランプに資質はあるか

経済にとって最も良いのは、国全体としての繁栄だ。そして、それは現在の米国に大きく失われているものだ。国の繁栄とは国民が住宅を購入し、新たな世帯を持ち、子どもを持つことであり、これらは力強い中間層にとって不可欠なものだ。国民にこうしたものをもたらした大統領は誰であれ(これを最後に実現したのはクリントンとレーガンだ)、再選を果たすことがほぼ確実になるとされる。

トランプは当然ながら、この実現を目指すだろう。ただし、クリントンともレーガンとも、大きく異なる手法を用いる。トランプは経済的愛国主義の道を進むことを選んだ。それはある意味で、成功を収めた前出の2人の大統領と、米国の既成勢力の大半が支持してきた手法を覆すものとなる。トランプが取るポピュリスト的な手法が功を奏するのか否かは、不透明だ。

それでも、トランプは結局のところ、他の誰が予想したよりはるかに抜け目のない政治家であることを自ら証明してみせた。そして、少なくとも現時点では、常に油断することがないようだ。

税制改革、規制改革、さらなるインフラ整備への支出の見通しはすでに、長期にわたって先延ばしにされてきた企業の投資を後押しし始めている。今後の問題は、トランプが貿易戦争や国際的な不安定化、新たな景気後退を引き起こすことなく、これらを順調に進めていけるかどうかということだ。

編集 = 木内涼子

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