調査企業Slice Intelligenceが公開した、ワイヤレスヘッドホンのオンライン購買シェアを示す資料で、トップに立ったのはアップルのAirPodsで、シェア率は26%。2位がBOSE(16.1%)、3位がBeats(15.4%)、4位ソニー(4.2%)、5位JayBird(2.5%)という結果になった(データは2015年1月から16年12月末日までの米国ユーザー、約19万人の購入情報を対象としたもの)。
アップルは年末のごくわずかの期間で他メーカーを大幅に上回るAirPodsを販売したのだ。興味深いことにAirPodsの発売以降の売上伸び率はBOSEがトップで、それまで3位だったBOSEは2位に浮上した。アップルが買収したBeatsは何故か3位に転落している。
このデータから見て取れるのは、アップルのヘッドホンはiPhoneユーザーらに受け入れられたという事実だ。AirPodsが他のブルートゥースヘッドホンと比べて、iPhoneとのペアリングが非常に簡単であることは、筆者自身も十分実感している。
159ドルで発売中のAirPodsは、もしも片方を無くした場合、アップルに69ドルを支払えば交換に応じてもらえる。69ドルという値段は法外に高いとの声もあがったが、ユーザーたちはこの価格をさほど高いとは思わなかったようだ。
発売の初月に大きな売上を叩き出したからといって、この先もAirPodsが売れ続ける保証はない。しかし、AirPodsの需要の高さは証明されており、人気は続くだろう。筆者個人としては、この製品はアップル特有の“マジック”を感じさせるプロダクトだと思う。AirPodsはアップル製品との組み合わせで、サードパーティの製品よりはるかに高い満足感をもたらすものになっている。
Slice Intelligenceのデータは、さらに別の興味深いデータも示している。昨年のクリスマス期間中、ヘッドホン市場の75%をワイヤレス製品が占めており、前年度から25%の上昇だった。アップルのヘッドホンジャックの廃止はリスクと見られていたが、ユーザーらは実際にワイヤレスヘッドホンを受け入れているのだ。
また、AirPods登場のニュースをきっかけに、ワイヤレスヘッドホンの購入を検討し始めたユーザーも多いに違いない。筆者個人としては、現在はブルートゥース接続以外のヘッドホンはほとんど使わなくなった。ワイヤレスヘッドホンは便利だし、バッテリーの持ちも申し分ない。これまで普及段階にあったワイヤレスヘッドホンだが、2016年は大いなる飛躍の年となったという見方もできそうだ。