従業員の意欲を高める「称賛」のシステム、試す価値はある?

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副社長によれば、より効果的なのは「同僚たちの前で称賛の言葉を伝えること」だ。成果を上げた従業員のデスクまで行き、同僚たちの前で褒めることによって、同僚たちからの評価も高まることになる(ただし、どんなフィードバックでも個人的に伝えてほしいと希望する従業員の場合は別だ)。

成果を上げた従業員の仕事の進め方とその結果に感謝すると同時に、結果が会社にどのような利益をもたらしたかを説明し、会社が掲げる目標と関連付けて話すようにすれば、称賛の言葉はより深みのあるものになり、従業員たちの記憶に残るものになる。

人事部・管理職がすべきこと

企業幹部や人事担当者らは、こうした称賛の気持ちの示し方について、管理職だけではなく全ての従業員が関与するプログラムを策定する必要がある。O.C.タナ―の調査では、「称賛の言葉を頻繁に伝える」と答えた人の90%が、自分が属するチームには正式な承認・称賛のプログラムがあると答えている。

ベックストランド副社長は、電子メールで送るグリーティング・カードなど、コストをかけずに謝意を示す方法を導入することを提案する。専用のウェブサイトを作るのも効果的だという。

ただ、ツール頼みになってはいけない。副社長によれば、ソーシャルメディアを使えば素早く称賛の気持ちを伝えることができるが、それを伝えることの意義が損なわれる可能性もあるのだ。顔を合わせて直接行うフィードバックは重要であり、頻繁に行われるべきものだ。毎週ミーティングを行っているなら、それが同僚たちの前で称賛する絶好の機会となる。

また、人事部や上級管理職は称賛の仕方について、従業員を対象とした研修を行う必要がある。ただ、「称賛すること」は人事部だけが主導すべきものではない。組織内の全てのレベルが関与し、アイデアを提供し、プログラムの策定を支援するべきだという。

編集 = 木内涼子

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