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2017.01.15

人気復活のアナログレコード、市場規模は1千億円到達へ

Radu Bercan / Shutterstock, Inc.


レコードの魅力は未来の世代にも伝えられていくのだろうか? スポルディングの息子のサリンジャーは、7歳にして自分専用のプレーヤーとコレクションを持っており、レコード市場の成長の展望を感じさせる存在だ。今、レコードプレーヤーは入手しやすく、初心者でも入り込みやすい環境にある。

最近は、毎月自宅に新作アナログレコードを届ける「Vinyl Me, Please」などの会員登録型サービスも増えている。レコード市場の現代化を図る別の例としては、世界各地のレーベルやレコード店が関連イベントを実施する年一回の「Record Store Day(レコード店の日)」がある。(今年は4月22日の予定)

アナログレコードの魅力は、唯一無二のものだ。日本では今もCDが絶大な人気を誇っているが、カセットやCDにレコードと同じ風情があるとは思えない。年長世代に昔の思い出をよみがえらせ、若い世代には新鮮な体験を与えるタイムカプセルとなるレコードは、あらゆる世代をノスタルジアの旅にいざなうことができる。

2008年に起きたアナログレコード人気の復活が、スポティファイの立ち上げと時を同じくしていたのは偶然ではないかもしれない。レコードには、出版業界との共通点が多くある。ストリーミング市場が成長と変化を続ける一方で、手に取れる製品、とりわけノスタルジアを伴う製品は、その大きな感情的影響力をもって、今後も市場を確保し続けるだろう。

翻訳・編集=遠藤宗生

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