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I write about consumer tech such as smartphones and gaming in Asia

photo by David McNew / gettyimages

先日、筆者はソウルにあるLG本社を訪問した際に興味深い話を聞いた。LGは自社製品にすら搭載していない有機ELディスプレイを、ライバルのアップルに供給しているというのだ。

また、サムスンは「iPhone 8」に曲面有機ELディスプレイを供給することが噂されている。これまでアップルと熾烈な競争を繰り広げてきた韓国メーカーたちが、最大のライバルを手助けするような行動を取るのは一見理解に苦しむ。しかし、サムスンの事業構造を見るとそこには合理的な理由があることがわかる。

サムスンはプロ野球チームやテーマパークなども傘下に持つ巨大コングロマリットだ。サムスンが「Galaxy Note 7」の発火問題で拠出した費用は50億ドル(約5,700億円)にも上るとされるが、それでも同社は四半期決算において過去3年間で最高となる77.6億ドルの利益を計上した。

その最大の要因は、有機ELパネルの需要が伸びたことだ。アップル以外にもデルやHP、ソニーなどがサムスン製の高品質な有機ELパネルを使用している。テック系メディアは、iPhoneと Galaxyの対決を盛んに書きたてるが、サムスンの事業全体におけるスマホ事業のインパクトはそれほど大きくないのが実情なのだ。

さらに、昨今のスマートフォン業界は飽和状態にあり、成長率の鈍化が鮮明になってきている。調査会社IDCによると、世界のスマホ出荷台数の成長率は2012年に47%だったのが、2016年はわずか1%だった。仮にNote 7の問題が起きなかったとしても、サムスンにとっては有機EL事業の収益がスマホの収益を大きく上回ったことになる。

サムスンは半導体部門にも巨額の投資を行い、大きな成果を挙げている。同社のモバイルSoC「Exynos」は、Android端末向けとしてはファーウェイの「Kirin 960」に次ぐ処理速度を誇り、筆者の感触ではクアルコムの「Snapdragon 820」と「Snapdragon 821」に勝る。ウォールストリート・ジャーナルによると、サムスンは半導体事業で全社利益の6割以上を稼ぎ出しており、Note 7の問題が起きる前の2015年のスマホ事業の利益を上回る。サムスンはメモリーチップもアップルに供給している。

サムスンにとって「Galaxy S」シリーズがiPhoneを追い抜くことは悲願ではあるが、アップルに多くの部品を供給していることから、iPhoneの成功も期待しているのが本音だろう。「Galaxy vs iPhone」の記事は読み物としては面白いが、それは両社の関係の表層を捉えているに過ぎず、真実はもっと複雑に入り組んでいるのだ。

編集=上田裕資

 

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