人材コンサルティング会社ユニバーサムが世界57か国・地域の経営学専攻の学生30万2,807人を対象に行った調査の結果、米国と同様に女性が男性と同じ待遇を望む国があるほか、女性が男性を上回る収入を希望する国もあることが分かった。
モロッコでは女性の方が高収入を希望
調査対象の各国・地域の中で唯一、モロッコでは女性の方が男性よりも高額の給料を希望していた。ただ、男女の経済的地位の平等が確立されているわけではなく、労働市場に参入する女性の割合はわずか27%にとどまっている(男性は78%)。
また、アラブ首長国連邦(UAE)では、女性の希望年収は男性とほぼ同額だった。ただし、それでも労働市場に参入する女性の割合は42%と低い水準だ(男性は92%)。モロッコとUAEで働く女性たちは高等教育を修了している人が多く、高収入を希望する女性が比較的多くなる一因とみられている。
その他、希望する年収についての男女差が特に小さかったのは、ベトナム、ナイジェリアだった。
一方、これら4か国で実際に支払われている賃金の男女差を比較してみた場合、男性の収入1ドル(約114円)当たりの女性の収入は、以下の通りだった。
モロッコ 1.03ドル
UAE 0.99ドル
ベトナム 0.97ドル
ナイジェリア 0.94ドル
賃金格差が最大の4か国
希望する賃金に関する男女の差が最も大きかったのは、女性の65%が働いているブルガリアだった。次いでその差が大きかったのは、女性が自動車を運転することが法的に認められていないサウジアラビアだった。同国で就職する女性の割合は、21% となっている。
その他、希望する年収についての男女差が特に大きかったのは、レバノン、ロシアだった。
これら4か国で実際に支払われている賃金の男女差を比較してみた場合、男性の収入1ドル当たりの女性の収入は、以下の通りだった。
ブルガリア 0.75ドル
サウジアラビア 0.79ドル
レバノン 0.79ドル
ロシア 0.80ドル