アップルいくつかの小規模なシリーズでオリジナル番組をスタートし、様子を見て規模を拡大していく見込みだ。ネットフリックスの場合は2013年の「ハウス・オブ・カード」等の作品で試験的にオリジナルの制作に乗り出した後、規模を拡大し、今年は50タイトルにも及ぶオリジナルシリーズを公開しようとしている。ネットフリックスCFOのデビッド・ウェルスは今後、オリジナルコンテンツの比率を5割ほどにしたいと述べている。
アップルの今回の動きは、同社が新たな収入源を見つけねばならないプレッシャーの中で生まれた。iPhone 6sはアップルの狙い通りには売れなかった。2007年に世に送り出したiPhoneは、2016年に初めての売上減少に直面した。アップルは過去15年で初の減収を記録し、CEOのティム・クックの役員報酬も減額されたと伝えられている。アップルはこの件に関しコメントを避けている。
アップルミュージックは2,000万人の有料会員を抱えているとはいうものの、スポティファイの有料会員数4000万人と比較すると半分でしかない。アップルはオリジナルコンテンツで、月に9.99ドル払うユーザーをさらに獲得したい狙いがある。調査会社eMarketer のアナリストのポール・ベルナは「テレビのコンテンツは音楽と比べ、消費者がお金を払ってでも楽しみたい傾向が強い」と述べている。
「昨年、アップルがオリジナル動画制作に乗り出すと聞いた時、それは正しい戦略だと思った」とベルナは言う。「今のアップルにとってオリジナル動画制作は必須の課題だ。早くやらなければ時間切れになってしまう」とベルナは述べた。