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2017.01.16 11:00

不動産内覧を変える「スマートキー」 イノベーション育むリクルートの研究開発部隊

リクルートテクノロジーズ ITソリューション統括部 アドバンスドテクノロジーラボ シニアアーキテクト 菅原健翁氏

リクルートテクノロジーズ ITソリューション統括部 アドバンスドテクノロジーラボ シニアアーキテクト 菅原健翁氏

リクルートグループのIT・ネットマーケティングを担うリクルートテクノロジーズ。その中でも、より専門的な研究開発領域でイノベーションを育んでいるのがアドバンスドテクノロジーラボ(ATL)だ。

ATLでIoT分野を担当する菅原健翁は、「こんなモノがあったらいいな」という自身の思いに技術をマッチさせ、人々の生活を便利にすべく、製品化を進めてきた。最新技術を日常生活に溶け込ませた、その製品とは――。

「使っていただくことで、人々の生活が便利になる。それが第一です」

菅原健翁は、いつも“使いやすさ”というユーザーのニーズを重視して研究開発を進めてきた。現在注力するスマートキー「iNORTH KEY(イノースキー)」においても、それは変わらない。

スマートフォンで玄関ドアを解錠・施錠できる基本機能はそのままに、不動産管理会社の業務向け、特に物件内覧の利便性を高めることを意識して設計した。内覧のたびに鍵を仲介会社に貸し出したり、現場まで同行したりといった、一連の手間を解消することを目指したのだ。

不動産管理会社の賃貸物件内覧業務に関するフローを考えると、すでに発売されている一般消費者向けのスマートキーでは要件を満たしきれない。例えば、賃貸物件は空室と満室の変動が激しいため、一度装着したスマートキーであっても、外して違う部屋に付け替える可能性が高い。

そこで菅原は、機器の固定に既存製品が用いている両面テープ方式ではなく、貼り直しに煩わしさが残らないよう、磁石を用いた固定方式を取り入れた。

さらに、さまざまな形状があるドアのサムターン(鍵を開閉するためのつまみ)についても、一般的なオプションパーツを交換して設置・取り外しするのではなく、幅広いサムターン形状にそのまま対応できるように開発した。

「ほぼ発明に近い状態でゼロからつくり上げました。ATLは、技術的に優れているものを創ろうという研究開発部署です。我々は常に、世の中に出ていない最新技術や機能を作品に盛り込むことを念頭に置いています」

新卒でリクルートへ入社した菅原は、事業部系の企画やネットワークの構築運用にそれぞれ10年ほど携わった後、ATLへ参画。ATLでは、社員一人ひとりが研究開発テーマを自ら決めていく。IoTやウェアラブル端末に着目した菅原は、さまざまな試作品をつくり上げていくなかで、よりユーザーにとって“身近”かつ“必需品”である「家の鍵」関連の開発に注力していった。

やがて不動産管理業務用に機能を特化した「鍵に被せてサムターンを回すプロダクト」の試作品をATLのブログで発表。偶然そのブログを見た大手賃貸系管理会社が関心を抱き、商品化へ向けて開発が進んでいった。

ATLでは、「こういうものをつくりたい」という要望が基本的に広く受け入れられる。その一方で、プロジェクトが立ち上がった際には3カ月を目安に結果を出すことが求められる。

「開発を続けるかの見極めを早めにつけることを前提に活動しています。成果物の反響を見てから、次のアクションを起こすかどうかの判断を行うのです」

完成したイノースキーの本体価格は6,000円、月額利用料金は380円。現在は量産の真っ只中にあり、最初の生産分はすべてある物件管理会社への納品が決まっている。管理会社にとっても新たな試みだが、今回の導入で業務効率が上がり、簡素化、オートメーション化、オンライン化がさらに進むことが期待される。

これまではマンションの個室のドアにスマートキーを装着しても、一階エントランスのオートロックの解除でつまずくことが多かった。エントランスのオートロックをスマートフォンで解錠する仕組みについては、セキュリティ上理事会や管理会社の了承を得るのが難しかったためだ。しかし今回導入する管理会社は、業務における利便性や必要性を感じれば、エントランス対応も含めた一括導入を検討しているという。

「賃貸管理業そのものが変わるくらいの提案をしていきたい」

今回、菅原が手掛けたスマートキーは、毎日必須のツールという点でもはや社会的インフラと言っても過言ではない。このスマートキーが自然と日常生活に溶け込み、広く生活に欠かせないものとなったとき――。

「誰でも直感的に使えるものでなければ意味がない」と語る菅原は次のステージで、どのような製品の開発にチャレンジするのだろうか。今後の研究成果からも目が離せない。


菅原健翁(すがわら・けんおう)◎リクルートテクノロジーズ ITソリューション統括部 アドバンスドテクノロジーラボ。1989年リクルート(当時)に入社。社内インフラの整備・運用を担当後、2013年現部署へ異動。IoTに関する調査・研究を経て、現在は、不動産管理に特化したキーレスエントリーシステム(iNORTH KEY)の開発に従事している。

Promoted by リクルートテクノロジーズ 文=土橋克寿 写真=後藤秀二 編集=高城昭夫

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