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2017.01.21 15:30

「近代コース設計の父」による世界一挑戦的な18ホール


英国でも一、二を争う美しさのアントリム海岸沿いに西へ進み、中世の古城・ダンルース城を過ぎると、ロイヤル・ポートラッシュが見えてくる。天気がよい日にはウイスキーで有名なアイラ島とジュラ島をはるかに望むことができる。

朝一番で現地に着いた我々は、すかさず隣町のポートスチュワート・ゴルフ・クラブにお邪魔した。こちらも中々の名コースであり、序章にふさわしいラウンドとなった。

午後3時過ぎ、いよいよ現地でプレイをスタートすると、アジア系の男性ふたりと一緒になった。声をかけると、何と日本人、それも茨城の名門Oクラブの面々であったので、3人で回ることにした。

我々の後ろから、翌日の全英女子アマチュアゴルフ選手権開催に向けて、R&A(英国ゴルフ協会)の女性役員がグリーンチェックとピン位置を決めるためについてきたのも印象的だった。

コースは36ホールあるが、「ダンルースコース」と名付けられたハリー・コルトの名作が、かつて全英オープンが開催されたチャンピオンコースである。ストレートなホールは少なく、アップダウンがあり、フェアウエイは狭く、グリーンもアンジュレーションが複雑なため距離の判断が難しい。加えて、風が吹き出したら手に負えない。これぞリンクスである。これまで全英オープンが1度しか開催されていないのも、他の理由はともかくとして、単純に難し過ぎるからではないかと思うくらい手ごわかった。

この地域出身のグレーム・マクドウェルは、2010年に全米オープンを制覇しているが、このリンクスで練習していればどこでも大丈夫だろうと確信できるくらい素晴らしいコースである。

2019年には、この素晴らしき世界の宝物、ロイヤル・ポートラッシュにて68年ぶりの全英オープンが開催されることが内定している。ぜひとも観戦に行きたいものだ。

ハリー・コルトが手がけた、世界一挑戦的な18ホール

ロイヤル・ポートラッシュは、アイルランドの首府・ベルファストから約90km北上したアントリム海岸沿いにある。アイルランドで唯一、全英オープンの開催地となった経験をもつダンルースコースは、全長7,143ヤード、パー72。想像を絶する手ごわさのラフとグリーンは、北大西洋がもたらす予測不可能な天候とあいまって、どんな熟練ゴルファーにも試練を与える。

text by Yasuro Koizumi

この記事は 「Forbes JAPAN No.30 2017年1月号(2016/11/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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