「日本の起業家ランキング2017」トップ10の選考理由とは––。[授賞式レポートはこちら]
第1位 山田進太郎 / メルカリ
山田進太郎:1977年、愛知県生まれ。早稲田大学在学中に「楽オク」の立ち上げに携わる。卒業後、ウノウ設立。「フォト蔵」などのサービスを立ち上げる。2010年Zyngaに売却、世界一周を経てメルカリ創業。
選考理由:日本唯一のユニコーン企業、ならびに事業性、経営陣の完成度、グローバル展開、成長性などが評価された。とくに2,000万DLを突破した米国市場の好調さへの評価が高く、競争環境が激しい米国での成功が見えれば、時価総額1兆円企業への道も拓けるとの声も。
設立:2013年2月1日 従業員数:約350名(グローバル合計) 資本金:125億5,020万円(資本準備金含む) 主な株主:三井物産、日本政策投資銀行、グロービス・キャピタル・パートナーズ、WiL、グローバル・ブレインほか
事業内容:スマートフォン向けフリマアプリ「メルカリ」の企画・開発・販売。ダウンロード数は日本で3,500万DL、米国で2,000万DLを突破(16年9月現在)。スマホを使ったC2Cによる新たな消費スタイルを確立。
第2位 玉川 憲 / ソラコム
玉川 憲:1976年、大阪府生まれ。東京大学工学系大学院修了、米カーネギーメロン大学でMBA取得。日本IBM基礎研究所、アマゾンデータサービスジャパンを経て、2015年ソラコム創業。
選考理由:「AWSのIoT版」として注目を集めたサービスリリースから1年で国内外4,000ユーザーと実績を積み上げた。なかでも、米国拠点、欧州拠点を設立し、ユーザーも増えつつある「グローバル展開」が評価された。優秀な経営陣がもたらす、技術性、将来性への期待値も高い。
設立:2015年 従業員数:30名(16年11月現在) 資本金:37億3,511万円(資本準備金含む) 主な株主:WiL、IVP、三井物産、未来創生ファンドほか
事業内容:IoT向けに最適化されたプラットフォーム「SORACOM」はMVNOとしてデータ通信SIMを提供する低コスト、柔軟な通信ソリューション。モバイル通信サービス「SORACOM Air」のほか8つのサービスを展開。新しいIoT市場を切り開く。
第3位 松本恭攝 / ラクスル
松本恭攝:1984年、富山県生まれ。慶応義塾大学卒業後外資系コンサルティング会社A.T.カーニー入社。クライアント企業のプロジェクトに従事し、印刷費のコスト削減率の高さに注目。2009年にラクスルを創業。
選考理由:印刷業界の遊休資産を活用する「シェアリング・エコノミー」モデルを応用し、配送事業者をつなぐ「ハコベル」で物流業界にも参入。ビジネスモデルを進化させた。8月の資金調達で日本スタートアップ初のミューチュアルファンド(投資信託)からの調達への評価も。
設立:2009年9月1日 従業員数:約120名 資本金:79億円(資本準備金含む) 主な株主:オプト、グローバル・ブレイン、WiL、日本政策投資銀行、フィデリティ投信、GMO VenturePartnersほか
事業内容:印刷会社の非稼働時間を活用した印刷のeコマース事業を展開。15年12月にはトラック物流のシェアリングエコノミーサービス「ハコベル」をスタート。インド・東南アジア企業への出資も加速させている。