インドでは食品から電子機器に至るまで、製品本体にラベルを記載して販売することが法で定められている。製品名や輸入社名、梱包年月日、最大小売価格をラベルに記載する必要があるのだ。インドのEconomic Timesの報道によると、アップル側はこのラベルが同社のデザインポリシーに沿わないと考えており、政府に対し例外指定することを公式に要請した。アップルは製品本体にではなくソフトフェア上に情報を記載することを提案している。
アップルはこれまで、米国で発売するiPhoneの背面に米国通信委員会の認証を示すFCCマークと「Designed in California, Made in China」の文言を表示してきたが、これも2014年にオバマ大統領が署名したEラベル法案の結果、さらに縮小されることになった。
インド政府がアップルの要請(アップルは税率の面でも譲歩を要求している)に応じるかどうかは不透明だ。なぜなら、アップルが売上の減少に苦しむなかでインドはiPhoneの市場拡大に最も期待できる市場であり、交渉をリードするのはインドかもしれない。IDCのリポートによるとインドのスマホ市場規模は2017年に米国を上回り、中国に次いで2位に成長することも期待されている。
アップルがインドでのiPhone生産に踏み切るのは、インドの労働力が中国よりも安価だからではなく、そのことにより念願の独自ストアの開設認可を政府から得るためだ。現状でアップル製品はインドで地元の業者が間に立って販売されている。現地での生産を独自ストアの開設につなげる戦略は、中国のファーウェイがとった戦略と同様の試みだ。