ビジネス

2017.01.05

生理用品の「タブー市場」に切り込んだ女性起業家たち

LOLAが販売するオーガニックコットン製タンポン (Credit: LOLA)


2016年はまた、保守的な男性向け性生活用品に、若い女性たちが次々と切り込んだ年となった。女性起業家らは、コンドームやローションといった定番アイテムの市場に、若者が好む安全で持続可能な素材を用いた新製品を投入した。

自然志向の生活用品を製造するセブンス・ジェネレーションのCEOを父親に持つ29歳のミカ・ホランダーは、女性に焦点を当てた性生活用品を製造するブランド「サステイン」を立ち上げた。


サステインのコンドーム製品パッケージ (Credit: Sustain)

父のジェフリー・ホランダーは数年前、持続可能なコンドームをいつか製造しようと、「Rainforest Rubbers(雨林ゴム)」の名を商標登録していた。ミカは、この企画にはマーケティングとメッセージ性が足りないと考えた。

ドラッグストアのコンドーム売り場には、ダークカラーに「マグナム」といった単語が金の文字で書かれるなど、滑稽なまでに男らしさが強調されたパッケージの数々が並んでいる。だがミカは調査の結果、コンドームの購入者の4割が女性であり、ローションの場合は女性購入者の割合がさらに大きいことを知った。

ミカは父の助言と、投資家から調達した250万ドルのベンチャーキャピタルを元手にサステインを設立し、女性向けに美しいパッケージや素材の透明性を重視したコンドームやローションの販売を開始した。税引前利益の1割はプランド・ペアレントフッドなどのヘルスケア機関に寄付される。


月経ディスク「フレックス」のパッケージ (Credit: The Flex Company)

フレックス・カンパニーのショルティとジェンセンもまた、事業を通じ、「女性の体についての自主性」を推進したいと語っている。その理由には、ドナルド・トランプ率いる次期政権が性と生殖に関する権利に反対の立場を取るとみられていることがある。

ショルティはこう語る。「2017年は、女性に逆風が吹く年になります。私は女性のヘルスケア分野での起業家として、女性たちが団結して、自分たちに悪影響を与えないような政策やイノベーションを推進していくようになってほしいと思っています。私たちは、女性らが団結すれば一人よりもはるかに大きな力を持つことができることを、2016年に目の当たりにしました」

翻訳・編集=遠藤宗生

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