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早稲田大学ビジネススクール准教授。連載[グローバル・インサイト]を執筆。

(Photo Illustration by Dan Kitwood/Getty Images)

新年初回なので、今回は2017年の展望として、認識しておかなくてはいけない政治絡みのリスクをリストアップした上で、これらのリスクに対してどう向き合えばいいのか、論じてみたいと思います。

トランプ・ラリーとそのリスク

トランプ次期大統領が選出されて以降、株式市場は日米ともにかなりの活況を呈することになりました。いわゆる「トランプ・ラリー」です。今働いている期待のメカニズムは比較的簡単で、市場はこう考えています。

トランプは、まずは減税とインフラ整備のための財政出動に動くはずで、その結果、財政は拡張方向に動き、財政赤字が増加する傾向になるであろう。とすれば、財政赤字をファイナンスするための米国債の発行も増えるはずで、その結果、米国債の価格は下がり、長期金利は上昇するはずだと。で、現実に、長期金利は大統領選以降大きく上昇しています。

この長期金利の上昇(国債価格の低下)が、株式の魅力を相対的に高めています。つまりは、お金が、米国債から米国株式に動いたのです。

この資金移動の影響は日本の金融市場にも出ています。米国の長期金利が上昇したので、長期の日米金利差が拡大し、より金利の高い米ドルが金利の低い日本円に対して買われています。つまり、ドル高/円安が大統領選以来一気に進みました。その結果、日本の輸出企業の業績改善への期待が高まり、この輸出セクターに属する企業の株価に引っ張られる形で、日本の株式全体も上昇してきています。

しかしながら、トランプはまだ大統領に就任すらしておらず、また、就任後も公約通りの政策の実行が政治的に可能かどうかはわからない。所期の政策が実行されたとしても、それらの実体経済への効果のマグニチュードがはっきりするのは早くても2017年後半、というのが現実です。

金融市場は相当先回りしているわけで、将来的にファンダメンタルズが追いついてくるかもしれませんが、現状は、典型的なバブル相場と言えるでしょう。トランプの政策への期待感が何らかのサプライズ要因で持続できなくなったり、あるいは、よりシンプルにこのバブルに調整が入ることが、まずは2017年前半のリスク要因の第一です。

より深刻な欧州政治リスク

一方、欧州は春から選挙が目白押しで、オランダ総選挙が3月。極右政党とみなされる自由党が躍進するのかどうかに注目が集まります。

しかし、最も注目せざるを得ないリスク・ファクターは4月、5月と続く仏大統領選挙です。欧州は、日本から想像するよりも、その疲弊の度合いはかなり深刻です。パリ、ブリュッセルから始まったテロ攻撃はまだ継続する一方で、移民受け入れに関する議論は大きく割れています。英国のEU離脱を受けて、フランス国民が大統領選挙でどういう判断を下すのかは、大きなリスク要因です。

実は、EU離脱の問題というのは、英国、フランスという個々の国の問題ではないのです。それは、一言で言ってしまえば、ドイツ問題です。EU及び通貨ユーロの実態は、大ドイツであり、かつてのマルクの膨張問題です。英国はその方向性に「No」を言えたのであり、今回はフランスが「No」と言うのかが焦点になります。フランスがEU離脱を志向する大統領を選ぶ可能性はあるのでしょうか。

文=樋原伸彦

 

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