しかしストレスを感じている上に、さらに不健康な食事をとった女性については、炎症マーカーのさらなる上昇は確認されなかった。研究者たちはこの理由について、これらのマーカーに何らかの天井効果がある可能性があると考えている。
だが、だからといってストレスを感じた時に何を食べてもいいということにはならない。これはむしろ私たちが、自分のストレスレベルを深刻に受け止め、ストレス軽減に役立つと分かっていることをすべきだということを示している。慢性的なストレスも不健康な食の選択も、蓄積されていくと思われるからだ。
研究の1つの限界は、いずれの種類の食事も不健康だったということだ。実際にはこれは、意図的に現実の欧米の食事を真似たものだった。だが真に健康的な食事(たとえば野菜や魚)の場合はどうなるのかが分かりにくい。
ストレスフルな出来事が、単に油を変えただけの食事ではなく、真に健康的な食事の効果をいかに弱めるのか(あるいは弱めないのか)の解明が、次のステップになるだろう。またどのような種類のストレスが小さな”健康的な選択を台無しにし得るかということも不明瞭なままだ。
これらの問題が解明されるまでは、健康的な食事をして心の健康にも気を配るのが最善の策だろう。健康のためには、食の選択は確かに重要だが、私たちが日々行っているそのほかのあらゆることも同様に重要だ。
「あなたは、あなたが食べるものでできている」だけではなく、肉体的・精神的に私たちが行うそのほかのあらゆる選択が、総合的な健康の増進に役立つのだ。