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ㅤ鎌倉市在住のフリーランスライター兼編集者


山内のいう価値観のうちのひとつが、「自分自身が会社の代表者である」という想いで仕事をする「全員経営」という理念だ。これがなければ宅急便というサービスは確立できなかったと言っても過言ではない、と山内は断言する。

「例えばお届けの際、お客様が高齢者の方の場合に笑顔で『ちょっと重いから中に入れますね』と言えば、喜ばれますよね。でも、お客様が若い女性なのに同じことをしたら、怖がられるかもしれない。要するにマニュアル教育では我々の目指す『お客様が喜ぶことがよいサービス』に対応できないのです。大事なことは、自分で考え、判断し、動く、そして自らを律する自主的・自律的姿勢。それが全員経営の根底にあり、強い企業を生む秘訣なのではないかと思います」

宅急便の生みの親でもある故・小倉昌男は「宅急便は運送業ではない。サービス業である」と断言し、開始当初はセールスドライバーに接客業や自営業の経験者を採用するという徹底ぶりだった。

その原点は脈々と受け継がれ、今後も訪日外国人の手ぶら観光支援サービス、自動運転を活用した「ロボネコヤマト」プロジェクト、自治体と連携した独居高齢者の見守りサービスや買い物代行・家事支援、アジアでの宅急便サービス展開など顧客の安全・便利を先取るサービスが目白押しだ。そして、これらに欠かせないのが、ICTと人材の両輪である。

「現在、輸送に関するあらゆるテクノロジーの活用を検討しています。一方で、無人化、ロボティクス化、AI化が進めば進むほど、逆に人とのリアルなつながりが高い価値をもつようになると思うんです。高級ホテルでAIロボットが応対したら、少し寂しいじゃないですか。人の笑顔や真心、察する力にはかないません」

実は山内がヤマト運輸に就職したきっかけは、大学時代に母から届いた宅急便。送るよう頼んでいた品の周りに菓子やカップラーメン、下着などがぎっしりと詰め込まれていた。

「宅急便は、単に荷物が届くだけではなく、人と人の想いをつなぐものなんだ」。その感動を山内はいまでも持ち続けている。


山内雅喜(やまうち・まさき)◎1961年、長野県出身。84年、金沢大学文学部卒業後、ヤマト運輸に入社。同社執行役員東京支社長、ヤマトホールディングス執行役員経営戦略担当、ヤマトロジスティクス代表取締役社長、ヤマト運輸代表取締役社長などを歴任。2015年より現職。

文=堀 香織

 

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