大人たちにとって永遠の心配事の一つは、子どもに注意力があるかどうかだ。2004年に発表された研究結果では、 注意欠陥/多動性障害(ADHD)と診断された子どもたちのうち、親と一緒に毎週2回の瞑想のクラスに参加し、自宅でも瞑想を行った子は、学校でも集中力などの向上が確認されたという結果が示されている。
また、マインドフルネスに基づく「子ども向けマインドフルネス認知療法(MBCT-C)」を受けた子どもたちにも、注意力の向上と行動に関する問題の改善、(不安レベルが非常に高かった場合の)不安の軽減といった結果が見られた。さらに、2013年に公表された研究結果によれば、ADHDの少年たちに8週間にわたってマインドフルネスの練習に参加してもらったところ、大幅な過活動の改善・集中力の向上がみられたという。
出席率と成績が向上
学校で行う瞑想は、教師らが望む「成績と出席率の向上」という結果をもたらす可能性がある。これについては、その効果を示す事例証拠、科学的証拠の双方が得られている。カリフォルニア州のある学区では“リスクの高い”学校の一部を対象に1日当たりの授業時間を30分延長し、毎日瞑想を行ったところ、良い結果がみられた。ただ、こうした結果をより深く理解するためには、今後さらなる研究が必要だ。
精神的な健康の促進
明らかな心的外傷を負っている子ども以外の場合には大人と同様、瞑想によって精神の健康状態が全般的に向上することが分かっている。
この分野に関する研究はまだ始まったばかりだが、小規模な調査ではあるものの、前述のMBCT-Cに関する調査では、不安度が高い状態から治療を開始した子どもたちでも12週間後には、不安による症状の改善がみられた。その他、放課後に行うヨガと瞑想のクラスに参加することで、子どもたちの幸福感が増し、リラックスできるようになったとの研究結果もある。