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2016.12.31 09:30

今年も忙しかったあなたへ贈るオススメ映画7選[映画界のテスラが語る 第4回]

『マネー・ショート 華麗なる大逆転』に出演のライアン・ゴスリング (Barcroft Media / gettyimages)


犯罪映画:『ボーダーライン』

第68回カンヌ国際映画祭で上映された映画であり、メキシコの麻薬カルテルとアメリカの国防総省の戦いを描く、静かな描写が美しい犯罪映画。
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複雑を極めるメキシコの麻薬カルテルと国防総省の策略は現実に存在しており、一度観るだけでは理解が難しい。しかしこの演出は主人公のFBI捜査官(ケイト)が作品の中で感じている心情であり、観客を主人公と同じような境遇におく演出である。メキシカとアメリカの国境(ボーダーライン)問題と麻薬問題における正義と悪の曖昧な境界線(ボダーライン)がテーマの本作は、物語を深く考えたい方に観ていただきたい。

犯罪映画としては『羊たちの沈黙』(1991)や『ディパーテッド』(2006)に近い作品性になっており、奥が深く何度も巻き戻して楽しめる映画となっている。

コメディー映画:『デッドプール』

『X-MEN』映画シリーズ第8作目となるマーベル・コミックの作品であり、コミカルなアクション・ヒーロー「デッドプール」が主人公のヒーロー映画。本来ならばアクション映画と位置づけられるが、アクションよりもアメリカン・ジョークを楽しみたい人向けだ。
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本作の主人公(ウェイド・ウィルソン)は元特殊部隊に所属していた素行が悪いチンピラだが、高級娼婦のヴァネットと交際を初め結婚も約束するも、末期がんになる。その治療として怪しげな組織の実験に参加し不老不死の能力を獲得するが、副作用でがん細胞が皮膚に広まり醜い姿になる。自らの姿を恥、彼女と会えなくなったウェイドは組織への復讐を誓う。

本作は第四の壁を破壊しており(登場人物が観客に直接語りかける演出)、今まで上映されてきたヒーロー映画とは一線を画する。また主人公のデッドプールも模範的な立ち振舞とは言い難いため、『テッド』(2012)のようなブラックジョークの多いコメディー映画好きはきっと気に入るはず。

SF映画:『オデッセイ』

マット・デイモン主演のSF映画。火星に1人置き去りにされた宇宙飛行士が地球に戻るために4年間、NASAからの情報と自らの知識のみで生存に奮闘する物語。マット・デイモンの演技力とCGが素晴らしく、SFとしての完成度が高い。

科学的に正確な描写が多く存在し、実際に映画の製作にあたってNASAの惑星科学部門の責任者が雇われている。作品のテンポも良く、惹きつけられる内容なので家族や大人数で観るのにオススメだ。

以上の作品はすべて現在レンタルされている。ぜひ、年末年始の時間のある時にゆっくりご鑑賞いただきたい。

アート映画:『壊れた心』

余談だが、浅野忠信主演のフィリピン映画『壊れた心』が2017年1月7日から劇場公開される。上記の作品とは異なりレンタルについては未定だが、映画界の生きる伝説であるクリストファー・ドイルが撮影監督を務めたアート映画だ。

上記の作品とは異なりレンタルについては未定だが、浅野忠信主演のフィリピン映画『壊れた心』が2017年1月7日から劇場公開される。映画界の生きる伝説であるクリストファー・ドイルが撮影監督を務めたアート映画だ。

舞台はマニラのスラム街。マフィアが宗教と力で支配する街の殺し屋(浅野忠信)が組織の女(ナタリア・アセベド)をボスから救い、街を捨てる。追っ手が迫る中、初めてお互いを理解する男と女。愛と破滅の逃避行が始まる。台詞がほとんどなく、鮮明な映像美とオペラのような音楽が特徴的な作品。

文=木ノ内 輝

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