ビジネス

2016.12.29

2016年、中国の米企業「爆買い」5大案件 総額では約6兆円に 

安邦保険集団が買収したニューヨークの高級ホテル、ウォルドルフ・アストリア (photo by Spencer Platt / gettyimages)


2. HNAツーリズムがヒルトン・ワールドワイド株を約65億ドルで取得

HNAグループは10月、投資会社ブラックストーン・グループからヒルトンの株式の25%を64億9,000万ドルで取得することで合意した。

HNAとヒルトンの双方にとって、この取引は急成長している中国のツーリズムマーケットでの事業拡大にプラスとなる。中国は世界で最も成長が速いホテルマーケットの一つである一方、海外旅行も急速に浸透している。2015年の中国人海外旅行者数はのべ1億2,000万人に達した。

海南島に拠点を置くHNAは、1993年に地域航空会社として設立され、今では2,000ホテルを運営する中国最大の観光企業になった。

1. 安邦保険集団が65億ドルでストラテジック・ホテル&リゾートを買収

中国保険会社最大手の一社、安邦保険集団は9月、ストラテジック・ホテル&リゾートを65億ドルで買収する交渉をまとめた。当初、ニューヨークのJW・マリオット・エセックス ハウスやワシントンのフォーシーズンズなど15物件が譲渡される計画だったが、米当局が安全上の懸念を示したため、サンディエゴの主要海軍基地に近いホテル・デル・コロナドが除外され、最終取引金額は約55億ドルとなった。

安邦保険集団は不動産の取得を活発化させている。2015年2月にニューヨークの有名ホテル、ウォルドルフ・アストリアを19億5,000万ドルで買収し、米市場に進出。同年後半には、すでにマリオットへの売却で合意していたスターウッド・ホテルズに129億ドルの買収提案を行った。

安邦保険集団は現在、日本のマンションなど住宅向け資産をブラックストーンから23億ドルで取得する交渉を進めていると伝えられる。

編集=上田裕資

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