女優で起業家のジェシカ・アルバが創業した同社に対し、今年4月に訴訟を起こしたのは、ミネソタ州を拠点とするNPOのオーガニック・コンシューマーズ・アソシエーション(オーガニック消費者連盟、以下OCA)。
OCAは、オネスト社の調製粉乳に「オーガニック食品に含まれることは許されない11の合成物質」が含まれており、そのうちの一つである亜セレン酸ナトリウムは「極めて有害で毒性の強い合成化合物」だと主張していた。
それに対し、オネスト社は5月、公式サイトのブログに創業者一同からのメッセージを発表。調製粉乳は米国食品医薬品局の検査をクリアしていること、またオーガニック認定機関の審査により、米国農務省が定めるオーガニック基準(National Organic Program)を満たしているとして「USDAオーガニック」認証を受けていることを説明し、OCAの動機について次のように疑問を呈した。
「知名度を利用する人々」からの妨害
「残念ながら、自分たちの活動への関心を集めるために、オネスト社やジェシカ・アルバの知名度を利用しようとする人々がいます。そのような動きが、幸せで健康な家庭生活を応援するという私たちの使命を阻止することはありません」
オネスト社はさらに「現行のオーガニック基準に関する意義申し立ては、オネスト社ではなく、米国政府に対して行うべきです」と述べており、この点が今回の勝訴に結びついたと思われる。
ロサンゼルス上級裁判所は、「USDAオーガニック認証の認定機関である連邦政府機関が、その製品は(オーガニック)基準を満たしていると判断し、オーガニックであるとの表示を許可した以上、表示の正当性に関して責任を問われるべきは認定機関の決定であり、製造業者ではない」との判決を下した。
訴えを棄却されたOCAは上訴しており、今後もオネスト社のオーガニック表示が消費者を欺いていると主張し続ける構えだ。OCAはフォーブスの取材に対し、「私たちは引き続き、オーガニックのベビー用調製粉乳の成分について消費者を啓蒙し、また不正表示された製品を避けるように呼びかけていきます。オネスト社に対しても、製品からオーガニック表示を外すよう働きかけます」と答えた。