創業10周年の中国DJI 新型ドローンは「映画撮影」に対応

Phantom 3 Pro (photo by Sean Gallup / gettyimages)

設立10周年を迎えたドローン最大手の中国DJIは、最新モデルの「Mavic Pro」がヒットとするなど業績は絶好調だ。また、ライバルのGoProが「Karma」ドローンを全てリコールし、ハイエンドな小型ドローン市場はDJIの独占状態となっている。

同社は最近、新型空撮ドローン「Phantom 4 Pro」と「Inspire 2」を発表した。いずれもセミプロやプロフェッショナル仕様でありながら、販売価格は手頃だ。ユーチューブ上にはユーザーが撮影した驚くほど美しい動画が多数投稿されており、大ヒットとなることが予想される。

Phantom 4 Proは特にクールなドローンだ。オプションで用意されている専用ディスプレイ付きコントローラーは輝度が高く、屋外での操作はスマートフォンよりもかなり楽だ。カメラは大幅に性能が向上し、4K動画を60fpsで撮影することができる。また、従来に比べて振動が抑えられ、どんなシーンでも綺麗に捉えることができる。

Phantom 4 Proの最大のセールスポイントの一つは、センサーが追加されて障害物を回避する能力が大幅に向上したことだ。デモ動画を見ると、その性能の高さがわかる。障害物に近づき過ぎるとコントローラーが警報音を発し、ドローンは停止して衝突を避ける。

Inspire 2は、よりプロフェッショナル向けのモデルだ。バッテリーを2つ搭載し、最大27分飛行することができる。片方のバッテリーが機能しなくなっても、もう片方が電力を供給する。DJIによると、これはテレビや映画の撮影用に時間を節約するためだという。

プロの映画撮影にも使えるInspire 2

Inspire 2はFirst Person View(一人称視点)カメラを搭載しているため、ドローンの操作と撮影を別の人が行うことができる。各人がそれぞれの操作に専念できるため、映画撮影などで有用だ。カメラはPhantom 4同様、4K映像を最大60fpsで撮影できる。また、Inspire 2は「Zenmuse X4S」と「Zenmuse X5S」の 2種類のカメラに対応している。Zenmuse X5Sはマイクロフォーサーズ交換レンズマウントを装備し、5.2K/30fpsと4K/60fpsでの撮影が可能だ。高速SSD を搭載した場合、4Gbpsの速度でデータを転送できる。DJIはInspire 2を映画撮影用に売り込みたい考えだ。

Inspire 2の価格は2,999ドル(税込361,000円)。カメラは別売で、Zenmuse X4Sは600ドル、Zenmuse X5Sは1,899ドルとなっている。Phantom 4 Proの価格は1,499ドル(税込189,000円)で、専用ディスプレイ付きコントローラーにアップグレードすると追加で600ドルかかる。

編集=上田裕資

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