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2016.12.28 10:00

ドゥテルテ大統領の暴言で振り返る2016年 「売春婦の息子」を連発

(Photo by Suhaimi Abdullah/Getty Images)

フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領の奔放な言動は、今年6月30日の就任から各国のニュースを騒がしてきた。
 
前ダバオ市長の彼は選挙遊説で、麻薬取引と麻薬使用者を撲滅すると宣言し、超法規的措置も厭わない姿勢を見せた。その公約は人権団体を恐怖に陥れたが、数百万人のフィリピン人は彼を支持し、大統領に選出した。

歯に衣着せぬ言動にも関わらず、ドゥテルテ大統領はさほど国民から批判を受けないし、海外から批判されたなら外交儀礼を無視して激しく攻撃する。彼の発言はインターネットを通じて数時間で広がり、ユーチューブで報じられる。下記にドゥテルテ大統領のこの1年の印象的な暴言を振り返る。

1.ローマ法王を「売春婦の息子」と呼ぶ

ドゥテルテ大統領はカトリックへの信仰が深く根付くフィリピンのタブーを破り、4月の大統領選でのスピーチでフランシスコ・ローマ法王を批判した。法王の2015年のフィリピン訪問の際、マニラで交通渋滞が起こったことに我慢できなかったようだ。

彼は遊説で「ホテルから空港まで来るのに5時間かかった。誰が来ているのかと聞いたら、法王だと返事が返って来た。私は彼に言いたい。法王よ、売春婦の息子は家に帰れ。もう来るな」と述べた。

2.国連脱退を示唆

麻薬撲滅キャンペーンで殺された人数は、大統領就任後の数週間で900人に達した。国連人権特使はこのことを厳しく批判したが、ドゥテルテはこれを個人的な攻撃と受け取り、やり返した。「お前が専門家として愚かであることを世界に証明してやる」

ドゥテルテはさらに、麻薬取締による死者数だけを数えるのではなく、麻薬によって命を失った罪のない人々を数えるよう迫った。「我々は国連から脱退することも考える。こんなバカげた考えに耳を傾ける必要はない」

自身の発言のインパクトを考えていないのかという質問に、ドゥテルテは答えた。「影響だって? 知ったことか」

3. 米大使を「同性愛者でろくでなし」と呼ぶ

ドゥテルテ大統領が米国の外国政策に批判的なことは有名だ。フィリピンは20世紀初めから米国の植民地としての時代を過ごし、その事実が彼のようなナショナリストの政治家を刺激している。米国を批判するにしても、マナーがあるだろうが、ドゥテルテは駐フィリピン米大使のフィリップ・ゴールドバーグに対し、中学生並みの悪態をついた。大使は大統領選中に、ドゥテルテ大統領のダバオ市長時代の行動を批判していた。

「私は米大使と戦っている。やつはゲイで売春婦の息子だ。むかつくやつだ」とドゥテルテは言った。

4. オバマ大統領も「売春婦の息子」

オバマ米大統領との9月の会談を前に、ドゥテルテは先制口撃を仕掛けた。オバマについてのレポーターからの質問に対し、「お前は敬意を示さなければならない。質問なんかするんじゃない。売春婦の息子め。フォーラムでののしってやる」と答えた。

ドナルド・トランプが1月に米大統領に就任したら、ドゥテルテにとっていい仲間になるかもしれない。

5. 自分をヒトラーになぞらえる

ドゥテルテは9月下旬の記者会見で、「ヒトラーは300万人のユダヤ人を虐殺した。今は300万人の麻薬中毒者がいる。私は喜んで彼らを虐殺する」と語った。さらに麻薬使用者の大量殺害を「我が国の問題にケリをつけ、次世代を破滅から救うことになる」と説明した。

編集=上田裕資

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