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2016.12.25 13:00

中国で最も幸福度が高い都市「成都」 昨年はウーバーも進出

Photo by Sean Pavone / Shutterstock.com

中国は幸福とは言い難い国だ。農村の人々は今も貧しく、都市は急成長の代償として、深刻な交通渋滞と大気汚染に直面している。中国企業は競争力があるが、内部には様々な問題を抱えている。

しかし、幸せな場所もある。雑誌「僚望東方周刊」と中国市長協会が編集した「中国都市発展報告」は、中国で最も幸福な都市に南西部の四川省の省都、成都を選出した。

調査は1,100万人を対象に、収入や生活の質、雇用、環境、教育、交通など50の指標を使って行われた。

海外の人たちは、成都と言えばパンダの繁殖地や辛い四川料理を思い浮かべるかもしれない。しかし790万人が暮らす成都の都市部には、より多くのものがある。成都の人々は王朝時代から、通りで竹椅子に座ってお茶を飲み、友人とおしゃべりをする文化を持つ。現地に住む30代の女性は「成都は中国で最も寛容な都市の一つで、暮らしやすい場所だが、上海、北京、広州に次ぐ国際都市でもある」と紹介した。

ウーバーも成都で事業を開始

ヒマラヤ山脈東部の広大で平たんな流域に位置する成都は、上海、北京、広州で見られる交通渋滞もそれほどひどくない。ウーバーが昨年事業を始め、バスやタクシーも捕まえやすい。

中国政府は成都を沿岸部に比べて発展が遅れている南西部の成長のハブとみなしている。多くの新興産業が雇用を生み、沿岸部に比べると人件費が低いため、フォルクスワーゲンやサムスン電子のような製造業の投資を呼び込んでいる。同市によると、2012年時点でフォーチュン500企業のうち233社に誘致提案を行なったという。

地元の人々によると、数少ない欠点は大気汚染、産業の機能、交通、山に囲まれた立地などだ。

北京に拠点を置くDezan Shira & Associatesの国際事業アドバイザリーマネジャー、カイル・フリーマンは「成都の最近の経済成長は、中国西部への投資を促進し、成都を投資の核とする政府の政策に支えられている。同時に、国内外の企業がより人件費が低く、市場としての潜在力もある西部にオペレーションを移していることも成長の源泉になっている」と分析した。

雇用の安定や、歴史的建築物を改装した西洋スタイルのバーやレストランなども成都の幸福度に寄与している。フリーマンは「中国では都市の幸福度は文化、伝統を楽しめる事と密接に関連している」と述べた。

編集=上田裕資

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