AIは「プラスになる」と考えるも「理解している」のは3割未満

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-マーケティングへの導入について細かいレベルで考えた場合、AIはどのような役割を果たしていくと予想しているか?

マーケティングへの導入はAIの最も有益な利用法かもしれない。新たなバイヤーの特定からリード(見込み客)の評価、個人に合わせたメッセージの発信まで、多くの活用法がある。

だがAIが最も有益なのは、マーケティング担当者たちが、自分たちの弱みや目標、野望を認識しているバイヤーと一対一の“対話”ができるようになるということ。こうした個人に合わせたコミュニケーションが可能になることで、無用のスパムをなくすことができる。

こうした対話は既に一部で行われているが、AIを活用することでその対象をさらに拡大することができる。一部の選り抜きの顧客ではなく、企業のウェブサイトを訪問する1,000万人の一人一人が、独自のニーズに基づいてブランドとの対話を行うことが可能になるのだ。

-機械学習とヒューマンインタラクションのバランスは必要だと思いますか。マーケティング担当者たちは依然として、自分たちの直観を信じるという実証済みの手法に依存していると思いますか?

そう思う。機械も人間と同じようにミスを犯すし、手法をオーバーライド(上書き・改善)していく必要がある。基本的には、同僚を信用することができるのと同じように、機械も信用できるようになるべきだ。その信用を築く1つの方法が、AIの下した決断の根拠について仲間のマーケティング関係者に説明し、透明化を図ることだ。

人間にも機械にも、それぞれ強みがある。専門知識を持つ人間とAIがパートナーを組むのが理想的なプラットフォームだ。機械学習を活用することで、人間はこれまで以上に効率的かつ力強い成功を収めることができる。

AIと機械学習は、人間に完全に取って代わるわけではない。人間の果たす役割をさらに強化し、人間の退屈な作業を減らしてくれるものだ。マーケティング担当者や販売チームにとってAIは、内部のコンテンツを理解し、それを外部のコンテンツと関連づけて、個々のバイヤーに合わせた理想的なメッセージを提案してくれるものだ。

AIがもたらしてくれる効果がコミュニケーションの強化に活かされ、それによって見込み顧客や顧客との関係がさらに強固なものになり得る。それがひいては企業の収益増につながるのだ。

編集=森 美歩

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