その後、1958年には空軍に勤務していた女性たちを対象に採寸が行われた。8~38までのサイズを規定したが、一般的な女性たちの体形を適切に反映したものにならなかったことは明らかだ。
そして、米国人の平均体重は徐々に増加。サイズ基準は大きく矛盾したものになっていった。商務省は1983年、省として基準を定めることをやめてしまった。このシステムは間違いなく破綻している。
スキニージーンズはいらない
小売業界がプラスサイズの消費者を受け入れない傾向として象徴的なのが、スキニージーンズの存在だ。米国人女性の平均サイズは上がり続け、16(日本の3Lに相当)程度となっている。それなのになぜメーカーの多くが、かたくなにスキニーやスリムカットを売ろうとするのだろうか。
筆者は数えきれないほどのデザイナーやメーカーが繰り返し、同じ言葉を発するのを聞いてきた。彼らがそう言うのを何度聞いたか、思い出すこともできない。
「私が気に入る服をつくっている」「ただ消費者たちが分かっていないのだ」
彼らがこう言うのは仕方がないことだとしても、消費者が好み、さらに実際に買ってくれる製品を作るという点では疑問が残る。
だが、結局のところ消費者はよく理解している。自分たちの財布を使って(そのひもを緩めないことでこうしたメーカーに対し)、反対票を投じているのだ。