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2016.12.20

クラフトビール版のソムリエ「シサローン」、取得で狙えるキャリアアップ

Ethan Miller / gettyimages

クラフトビールの人気は米国でも急速に高まり、醸造所の数は大幅に増加している。今年末時点で、およそ5,000件に達する見通しだ。クラフトビール業界で働くことは、おいしいものに関心がある多くの人たちにとって、明るい将来を見込める選択肢の一つになりつつある。

ただ、「ビール業界で働く」とはどのような仕事をすることなのか、極めて曖昧だ。活気あるこの業界でキャリアを積む機会は、醸造技術から流通ビジネスまで、さまざまな分野にある。

つまり、ビール業界でのキャリアはガレージでビールをつくる小規模の醸造所から、ビールと料理の組み合わせを考えるレストランのマネージャー、新たなブランドと協力するマーケティングの専門家まで、非常に多岐にわたるのだ。

そのビール業界で働き始めるためにはどうすればいいのだろうか。調べてみると、効率的な方法があることが分かった。米カドゥケウス・コミュニケーションズ(Caduceus Communications, Inc.)が運営する「クラフトビール・インスティテュート」の認定資格を取得することだ。

ソムリエの世界を知っている人は大勢いる。だが、「シサローン」を聞いたことがある人は少ないだろう。ソムリエがワインの専門家とされるのと同じように、シサローンはビールに関する全てのことに精通した人たちだ。ただし、シサローンは必ずしもソムリエと全く同じではない。

シサローンの資格は認定プログラムによって厳しく管理されており、取得するにはビールの製造から保存、提供、消費までを含めたあらゆる側面に関するいくつもの問題を含むテストに合格しなければならない。一方、ソムリエはワインについての知識があってもなくても、自分で名乗れば誰でもなれる。

プロ意識と誇りが重要

シサローン認定プログラムの創設者であるレイ・ダニエルズは、醸造者組合の代表として全米の各地を回った経験を通して、ビールに関する知識があまりに普及していない事実を知り、状況の改善を図るために2007年、同プログラムを立ち上げた。
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編集 = 木内涼子

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