ビジネス

2016.12.17

ニッチ狙いで収益化、ブログ成功のカギは「アドベンチャー・ツーリズム」

JonMilnes / shutterstock.com

航空機から飛び降りる瞬間に何かをひらめく、というのは一般的ではないが、アドベンチャー・ツーリズム事業を起業したトム・ロジャース(25)とアナ・ファウスティーノの場合はそうだった。

ロジャースはスイスのインターラーケンでスカイダイビングをしていた時、「アドベンチャー・トラベルのウェブサイトの運営者として、オーソリティ(信頼できる情報源)になれると感じた」という。

それが2015年秋のことだった。その5か月前、2人は「アドベンチャー・イン・ユー」というブログを開設。新米ライターである彼らは、既に多くのブロガーがひしめく旅行ブログにおいて注目を集めるには、独特なアングルが必要だということを認識していた。有名な観光地を訪れた記録だけならもう溢れている。

「毎回の食事を写真に撮ってスナップチャットで共有するつもりはなかった」と、ウェールズ出身のロジャースは言う。大学卒業後にインターネット関連のスタートアップ企業で働いた経験がある彼は、ウェブサイトのトラフィック(訪問者数)とブランドを築く方法に通じていた。フィリピン出身の恋人ファウスティーノは腕のいいライターで、2人は完璧な組み合わせだったのだ。

2人は、収益化が難しく既に大勢の競争相手がいる“低予算の旅行”に関するブログではなく、アドベンチャー・ツーリズム事業を立ち上げることにした。ドバイでのスカイダイビングやタイでのハイキングなどについてレビューを行うのだ。

アイデアが浮かんだのは2014年、2人の出会いとなった東南アジアでのバックパック旅行の後だった。まだ旅行サイト立ち上げまでは考えていなかったが、2人はスキューバダイビングやジップライン(木の間に張られたロープを滑車で滑り降りる遊び)についての情報があまりないことに気づいた。レビューがあっても役に立たないか、あちこちのサイトに散在していて、複数のサービスについて安全性や清潔さなどを比較・分析するのは難しかった。

そこで、2015年にサイトを立ち上げるとすぐに、アジア、ヨーロッパとオセアニア各地のアドベンチャーに関するレビューのデータベースを作成した。今ではスタッフを雇えるほどの収益もあり、世界中のレビュアーの協力を得て、コンテンツを増やしている。
次ページ > バックパッカー「必読」サイトに成長

編集=森 美歩

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事