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2017.01.08

ゴミ収集を変える次世代スタートアップ「ルビコン」社の挑戦

Photo by studiovin / Shutterstock.com

アトランタ市のカシム・リード市長は12月1日、ゴミ収集の効率化を目的に新興企業の「ルビコン・グローバル(Rubicon Global)」と提携したことを明らかにした。ルビコンにとっては、これが自治体との初めてのパートナーシップになる。アトランタ市はパイロットプログラムを6か月間運用し、ルビコンのソフトウェアやアプリを活用することになる。

アトランタ市に本拠を置くルビコンは、300人以上の従業員を抱え、売上高は数億ドルに達する。同社は、大手スーパーマーケットチェーンのウェグマンズやセブンイレブンを含む5,000社以上と契約し、フォーブスの「次世代のスタートアップ企業2016年」にも選出されているが、ゴミ処理業界においては小規模なプレーヤーの一つに過ぎない。

現在、アトランタ市では、市と契約するゴミ回収業者が96,000世帯を回っている。今回の提携で、これらの業者がルビコンのゴミ回収業者向けモバイルアプリを利用し、市の職員が専用ソフトウェアを使って業者のルートや、市民からの苦情などを管理することができるようになる。

低コストで環境に優しいサービスを実現

アメリカのゴミ処理業界は、ウェイスト・マネージメント(Waste Management)とリパブリック・サービス(Republic Service)の大手 2 社が独占しており、両社の時価総額の合計は500億ドルを超える。ルビコンはこれらの企業と対抗するため、テクノロジーを活用して回収業者に最適なルートを指示したり、ゴミをリサイクルすることでゴミ処理場への廃棄を減らすこといった取組みを行い、低コストで環境に優しいサービスを実現した。

リード市長によると、アトランタ市としてはルビコンとの提携によってコストを削減できるほか、環境対策面でリードする市になり、地元の有力スタートアップの支援にもつながるという。アトランタ市は、「Power To Change」というサステナブルな街づくりを目指す取組みを行なっており、ゴミの削減とリサイクル強化を活動の柱の一つに掲げている。

ルビコンは、アトランタ市との提携を皮切りに自治体とのパートナーシップを増やしていく。同社のパブリックポリシー部門を統括するMichael Allegrettiは、前職のウーバーでも自治体との提携を取り仕切っていた。

ルビコンはケンタッキー州ルイビルで設立され、現CEOのNate Morrisの判断でアトランタ市に移転した。ルビコンはケンタッキー州レキシントンやニューヨーク、サンフランシスコにもオフィスを構えているが、アトランタ市の本社に最も多くの従業員が勤務している。

「スマートシティの実現に向けて先進的な取組みを行っているアトランタ市と提携できたことにとても興奮しています。当社は、ゴミの量と廃棄コストを削減し、リサイクル活動を増やすことを目指しており、今回の提携によってその実現にまた一歩近づくことができました」とMorrisはコメントしている。

編集=上田裕資

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