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消費経済:小売業とそれを改革する人々について執筆

Photo by Syda Productions / Shutterstock.com

人が「私は業界トップから学んだ」と言う時、大抵は誇張が入っているものだが、カミール・ハーストに限っては事実だ。何しろ、彼女がスタンフォードで工学の修士号を取得後に就職したのは、故スティーブ・ジョブスが采配を振っていた頃のアップルである。ちょうどジョナサン・アイブがデザインしたiPodが音楽業界に革命を起こしていた時期で、ハーストはiTunesの初代プロダクトマネージャーを務めた。

アップルで働いた2005年から2010年までの期間を、ハーストはこう振り返る。「私が入社した時に音楽小売の8位だったiTunesは、会社を去った時には業界1位になっていた」と。

その後、ユーチューブやグーグルといった大手や、英国発のタクシー配車サービスHailoを経て、ハーストは2015年秋にソーシャルリコメンドプラットフォームの「Kit」を立ち上げた。学部生時代、スタンフォードの高名な起業家育成プログラム「メイフィールド・フェローズ・プログラム」を受講していたハーストにとって、起業は常に人生のプランに入っていたという。

Kitは、SNS上で影響力を持つインフルエンサーやエキスパートが、ネットで買えるおすすめ商品を紹介するプラットフォーム。「100ドル以下のホリデーギフト」「プロのヘアメイクが使うコンシーラー」といったテーマのもと、「キット」と呼ばれる商品のリストを投稿し、エンドユーザーがそこから購入すると投稿者にアフィリエイト料が入る仕組みだ。

ベストセラー著者もインフルエンサーに

現在、ベストセラー『「週4時間」だけ働く。』の著者ティム・フェリスや、ユーチューブで大人気の映像クリエイター、ケイシー・ナイスタットなどがインフルエンサーとして登録しており、それぞれアマゾンで買える「ポッドキャスト制作ツール」や「映像制作ツール」などを投稿している。

今話題のアマゾンの音声アシスタント「アレクサ」にも対応済みで、「Ask Kit for 〇〇(エンドユーザーが欲しいもの)」と訊ねると、「アレクサ」がKitインフルエンサーのおすすめ商品を教えてくれる。

先月、ハーストと、Kit共同創業者でフォースクエア創始者としても知られるナヴィーン・セルヴァドゥライの二人は、250万ドル(約2億9,000万円)のシードファンドを調達したことを発表した。

投資者には、Social Capital、Precursor Ventures、元Twitterで現在はSlack幹部エイプリル・アンダーウッド、元redditのエレン・パオ、Authentic Ventures、Black Angel Tech Fund、Expaなど錚々たる面々が並ぶ。このうちのExpaは、Kitの立ち上げ段階から支援を行なってきたニューヨークのインキュベーターだ。

テック業界における黒人女性起業家の動向を約1年がかりで調査した「プロジェクト・ダイアン」によると、ハーストはシードラウンドで100万ドル以上を調達した12人目の黒人女性となる。

今回ハーストらが調達した資金は、Kitを収益化するためのリサーチに使われる予定だ。現時点ではアフィリエイト料は全額投稿者に行くため、Kitには収入がない。課題となるユーザーやインフルエンサーの獲得について、ハーストは「(インフルエンサーとして)Kitを楽しんでいる人の多くは、既に他のプラットフォームでファンベースを確立しており、ファンと交流する機会や手段を常に探している」と語った。

編集=海田恭子

 

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