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2016.12.18 13:10

天然コルク栓であるべきか否か、高級ワイン生産者の動向


しかし、天然コルクをやめたところでTCA汚染の可能性を完全に排除できるわけではない。天然コルク栓が原因の75~80%を占めるが、TCAはフェノールや塩素、かびなどとの接触によって発生する――いずれもワイナリーで起こり得ることだ(樽や木製のラックなどが原因となる)。

TCA汚染の可能性を完全に排除するには、衛生管理に気を配り、塩素系製品の使用を避けることなどが必要になる。

TCAにどれだけ敏感かは人によって異なり、1リットルあたり1~2ナノグラムでも感じる人はいる。もっと少なくても臭いに気づく人もいるが、多くの人は軽い汚染ならばおいしく飲める。

ドメーヌ・ポンソの当主ローラン・ポンソはTCAにきわめて敏感で、ブルゴーニュで早い時期に天然コルクを使わなくなった生産者の1人だ。彼のつくったワイン(1本300ドル=約3万5,000円で販売されるグラン・クリュを含む)は全て、2008年物からグアラ(スクリューキャップ)栓を採用している。

ポンソとモンティーユのような天然コルク否定派は、まだ少数派だ。多くの生産者は依然、天然コルクを採用している。天然コルクは酸素透過性がありワインをゆっくりと熟成させるし、温度変化や振動への耐性があり、生分解性があることが分かっているからだ。

消費者にとって朗報は、コルク業界も今では品質と信頼性の改善に取り組んでいるということ。天然コルクの市場シェアが1990年代の95%から70%に下落するなか、業界はワインのコルク汚染を排除、あるいは少なくとも最小限に抑えるべく、熱心に取り組みを行っている。

編集=森 美歩

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