ルイ・ジャドやブシャール・ペール・エ・フィスのような大手メーカーが白ワインの栓にディアムを導入して満足していることは知っていたが、より小規模かつ高い品質を誇る生産者もディアムに切り替えているのだ。
ドメーヌ・ド・モンティーユを引き継いだエティエンヌ・ド・モンティーユは全てのボトルにディアムを導入。「うちのワインを台無しにする可能性のある栓を使わないのは当然だ。ディアムには満足している」と語った。ブルゴーニュ白ワインの最高の生産者の1つであるドメーヌ・ルフレーブも、今後ディアムに切り替える予定だ。
長年、ワイン業界は従来のコルク栓によるワイン汚染に悩まされてきた。原因はコルクから発生するトリクロロアニソール(TCA)という物質。ワインにかび臭をもたらし、香りを損なってしまうのだ。ヨーロッパの生産者たちは何十年もこの状況を受け入れてきたが、これに不満を抱いたニューワールド(チリやアメリカなど比較的新しい生産国)の生産者たちは、コルクに代わる栓を模索するようになった。
2001年、ニュージーランドの28のワイナリーは、スクリューキャップの普及を目指す「スクリューキャップ・ワイン・シール・イニシアチブ」を結成。そのわずか5年後、同国のワインの大部分にスクリューキャップが採用された。今ではそうでないボトルを見つけるのが難しいほどだ。
オーストラリアでは、南オーストラリア州のワイン産地クレアバレーで同様の運動が始まった。アメリカやチリといったそのほかのニューワールドではそこまでの勢いで広まっていないものの、スクリューキャップは急速に普及している。
保守的なヨーロッパの生産者や高級ワイナリーがスクリューキャップを支持しなかった主な理由は、“高級ワインはコルク栓”という消費者のイメージだ。だがディアムは、これらの生産者に道を開いている。
ディアムは合成コルクであり、近くで見ると細かいコルク片でできている。一見、天然コルクのように見えるのだ。コルク片は洗浄され、TCAのような不純物を取り除いてある。