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年末には注目のゲームが多くリリースされるが、中でも「スーパーマリオラン」の話題性は群を抜いている。任天堂はメディア宣伝に全力を挙げており、アップルも同社史上初めてと言って良いほど特定のゲームのプロモーションに力を入れている。

ポケモンGOで精度の高い収益予想を行った調査会社Sensor Towerは、スーパーマリオランの初月売上がポケモンGOの約半分の7,100万ドル(約81億7,000万円)になると分析している。これは「クラッシュ・ロワイヤル」の売上を下回るが、スーパーマリオランとこれらのゲームを単純比較することはできない。

まず、ポケモンGOはスマホゲーム史上最大のヒットを記録したタイトルであり、その半分でも十分素晴らしい実績だ。また、任天堂はポケモンGOのときよりも収益の取り分が大幅に増えるため、業績へのインパクトは大きくなるだろう。任天堂は、ポケモンGOを開発したナイアンティックと、IPを保有する株式会社ポケモンの株主だが、ポケモンGOの場合は関与度が低かったために莫大な売上のごく一部しか手にしていない。

これに対し、スーパーマリオランはDeNAとの共同開発ではあるが、任天堂の関与度はポケモンGOよりもはるかに高い。だからこそ、任天堂はゲームの宣伝に本腰を入れており、先日はマリオの産みの親である宮本茂氏が、米国任天堂のレジー・フィサメィ社長と共に人気TV番組「ザ・トゥナイト・ショー・スターリング・ジミー・ファロン」に登場した。

異例の「1200円」買い切り型

また、スーパーマリオランは、他のスマホゲームと収益モデルが大きく異なる。ポケモンGOやクラッシュ・ロワイヤル、キャンディークラッシュがアプリ内課金で儲ける仕組みであるのに対し、スーパーマリオランは買い切り型だ。アプリのダウンロードは無料だが、ゲームの全てをプレイするには10ドル(日本では1,200円)を支払う必要がある。これは、スマホゲームとしては異例の高額だが、その他は課金なしで全てのプレイを楽しめるため、収益が限定的になる恐れがある。同じモデルで収益的に大成功を収めたゲームは過去に例がほとんどなく、筆者が思い付くのはマインクラフトくらいだ。

スーパーマリオランが世界中でヒットすることは疑いようがないが、期待されたほどの収益を上げることができるかは不明だ。ポケモンGOはゲームプレイに革新をもたらしたが、収益モデルは一般的なものだった。一方で、スーパーマリオランは、ゲームプレイ自体は目新しくないが、レアな収益モデルを採用している。スーパーマリオランがアナリストの予想通りの売上を達成したら、任天堂はマリオというIPが持つパワーの大きさを改めて世界に証明することになるだろう。

編集=上田裕資

 

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