“ドイツの奇跡”の時代に、世界のファッションシーンに登場
ヒューゴ ボスが現在の地位を築くためのエンジンとなったのは、メンズスーツだった。転機が訪れたのは、ドイツプロダクトが世界的注目を集めた“ドイツの奇跡”の時代。デザイン史におけるドイツの興隆と歩を一にするかのようなタイミングだった。
第二次大戦後、ドイツは敗戦後の廃墟の中から、驚異的な復興を遂げる。その奇跡的な復興劇は“ドイツの奇跡”として夙に有名だが、その経済成長を支えたのは、他ならぬドイツの優れたプロダクトの輸出事業であった。ドイツのデザインが世界的に評価され、現在のイメージが定着したのは、実はこの時代のことだったと言われている。
一方、ヒューゴ ボスはといえば、創業者フーゴ・フェルディナント・ボスが亡くなり、後を継いだ娘婿のオイゲン・ホーリーが、メンズファッションブランドへの転身をはかっていた。そしてついに、1953年に発表したスーツが人気を博し、一躍世界的なブランドへと駆け上がることとなる。創業から約30年の時を経てのことだった。
続く60年代には、初の既製スーツを発表し、さらに70年代には、メンズコレクションも発表。肩幅が狭い、ダブルボタンのシングルブレザーが大ヒットし、ヨーロッパのみならず国際的メンズファッションの一流ブランドとして不動の地位を築いていった。
現在は、高品質ビジネスウエアの「ボス」と、若者向けに新たに展開する「ヒューゴ」を主要ブランドとして展開。世界124カ国の6,000店を超えるネットワークで取り扱っている。その規模は、メンズスーツにおける世界シェアの6分の1、ロシアでは2着に1着がヒューゴ ボスだと言われるほどだ。
変化と革新へのチャレンジを支援するスポンサーシップ
また、ヒューゴ ボスは、スポーツスポンサーとしても知られる存在で、同ブランドのポリシーでもある「変化と革新へのチャレンジ」を続ける選手やチームを積極的にサポートしている。
現在も、テニス、ゴルフ、サッカー、モータースポーツなど、さまざまな分野に協賛しているが、2013年からサッカードイツ代表の公式スーツなどのファッション面をサポートしていることや、今季ワールドチャンピオンに輝いたメルセデスAMGペトロナスF1チームのスーツ・ユニフォームを供給し続けていること、さらには、海のF1とも言われる単独無寄港世界一周ヨットレース・ヴァンデ・グローブへ本格的な支援を行っていることは、特に有名だ。
2016年からは、先日のFIFAクラブワールドカップ ジャパン 2016でチャンピオンに輝いたレアル・マドリードとも、スポンサー契約を結んでいる（写真下）。
選手たちが着ているのは、「クリエイト・ユア・ルック」 のスリムフィット、ネイビーブルーのセットアップ。 スリムフィット シングル ブレステッド 102,600円 パンツ35,640円（ともに税込み）
激動のドイツ史のなかで、ブランド・アイデンティティーを守りつつも、変化を恐れず、革新へのチャレンジを続けてきたヒューゴ ボス。創業当時から受け継がれるその精神は、いまなお同ブランドのクリエイティブの原動力となっている。
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