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マーケット、ミレニアル世代、マネー担当。


ロボアドバイザーの企業たちも新たなサービスを開始した。例えば、前述のWealthfrontは投資資金が10万ドルを超える課税対象のポートフォリオに対し、個別の株式を購入するサービスを昨年12月に始めた。Wealthfrontは、含み損を抱える銘柄を売却して節税することで年間リターンを2%向上できるとしている。それは誇大な宣伝だとしても、通常は0.3%ほど掛かる手数料が無料で利用できるため、魅力的なサービスだと言える。

ロボアドバイザーを活用しつつ、人からもアドバイザーが受けられるハイブリッドなサービスも注目を集めている。これらのサービスでは、人間のファイナンシャルアドバイザーが老後の蓄えや大学の学費、保険、節税対策などについてアドバイスをしてくれる。フォーブスの「フィンテック注目株50」に選出された「Personal Capital」は、個人資産を管理するためのダッシュボードを無料で提供し、90万人ものユーザーが利用している。このサービスでは、口座取引のレポートを閲覧したり、資産配分の分析などを行うことができる。同社のサービスもフリーミアム型で、オプションサービスを利用する場合は投資資金の0.89%を手数料として支払う。(投資資金が100万ドルを超えると手数料率が低減する)

バンガードも、5月にロボアドバイザーと人間のアドバイザーを組み合わせた「Personal Advisor」というサービスを立ち上げた。同社の場合、預かり資産の0.3%を手数料として徴収している。Personal Advisorはこれまで2年間ベータテストを行い、既に260億ドルを運用しているが、この内100億ドルは同社の既存顧客がより高額なサービスから乗り換えたものだという。Personal Capitalとバンガードの違いは、前者はWealthfrontと同様に、課税口座に10万ドル以上を預けている顧客に対して、個別の株式を購入して節税するサービスを提供していることだ。

以上の通り、フィンテックのサービスは多種多様で、自分に最適な商品を選ぶのは至難の業だ。「より安く、より簡単なサービス」の提供が本来のフィンテックの価値であることを考えると、サービスの選定で投資家を困らせるというのは、何とも皮肉な話だ。

編集=上田裕資

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