複数残る「不明点」
この研究結果には、注意すべき重大な点がいくつかある。中でも最も重要なのは、がんが発症するメカニズムが解明されていないということだ。なぜ白ワインがメラノーマを引き起こすのだろうか?
論文の著者らは、発がん性のあるアセトアルデヒドの影響を指摘している。だが、この物質は赤ワインにも含まれている。白ワインの方が危険である理由は特定されていない。また、アセトアルデヒドがその他のがんではなく皮膚がんを発症させる理由も、特に日光に当たらない部位にできるがんを引き起こす理由も、不明のままだ。さらに、上記の飲酒の習慣があった2万6,000人のうち、どれだけの人たちが白ワインを飲んでいたかも明らかにされていない。
それでも「赤」が安心
米国立がん研究所は、アルコールとメラノーマを除いた複数のがんの関連性を警告している。特に、多量の飲酒をする人は発症の危険性が高まるという。今回発表された新たな調査結果もまた、同じ点を指摘している。
筆者は白ワインとメラノーマ発症の明確な関連性を示していないこの調査について、いまだ少し懐疑的だ。だが、それでも年末年始の休暇中にワイングラスに手を伸ばす機会があれば、やはり白ではなく赤を選んでおくべきかもしれないと考えている。