きっかけとなったのは、6日にニューヨークのトランプ・タワーで行われたドナルド・トランプ次期米大統領との会談だった。両者は会談後にロビーに姿を現し、ソフトバンクが米国のテクノロジー業界に500億ドル(約5兆7,000億円)を投資すると発表。このニュースを受け、同社株は6.1%上昇した。
投資の資金源は定かではない。ソフトバンクは10月に設立した国際ファンドを通じ、今後数年間で世界各地に計450億ドルの投資を行う見通しだが、今回の発表は、このすべてを米国に割り当てると約束したとも受け取れる。
1981年にソフトバンクを創業した孫社長は、同社株の25%を保有している。これまで日本一の富豪の座は、2年間にわたりファーストリテイリングの柳井正会長兼社長が手にしていた。
孫社長は過去にも米国に大きな投資を行ってきた。ソフトバンクは2013年、米携帯電話大手スプリントを220億ドルで買収。その後、同じく携帯電話大手のTモバイルUS買収を試みたが、規制当局が懸念を示したため断念している。孫社長は13年、カリフォルニア州に1億ドル以上の豪邸を購入した。
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