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消費経済:小売業とそれを改革する人々について執筆

Tanasan Sungkaew / Shutterstock.com

スウェーデンの家具チェーン、イケア(IKEA)が米国で最大4か月の有給育児休暇の導入に乗り出す。性別を問わず米国の全従業員が対象で、月給ベースの従業員、時給ベースの従業員の双方が利用可能。出産や養子縁組み等の形式は問わず、全ての親になる雇用者を対象としている。

米国ではテック業界や大手企業の間で有給育児休暇の導入が広がっているが、小売りチェーン業界では役員や幹部クラスのみの特権なのが現状だ。イケアの動きは小売業界の中では際立ったものと言える。

ウォルマートでは90日間の有給の産休(養子縁組の場合は14日間)があるが、対象は正規雇用者のみ。同業のターゲットは育児休暇の導入に関し、明らかにしていない。職場レビューサイト「フェアリーゴッドボス(Fairygodboss)」は育児休暇制度を持つ米国企業160社のランクづけを行なっているが、伝統的小売企業は含まれていない。

米国は先進国の中では唯一、有給育児休暇の取得が法律で義務付けられていない国だ。1993年に「家族と医療休暇法(The Family and Medical Leave Act、FMLA)」が制定され12週間の“無給”の産休が義務付けられた。しかし、これはフルタイムの労働者限定で、しかも従業員50名以上の企業が対象とされている。

米国ではわずか12%の労働者しか有給休暇の取得を認められていないのだ。さらにこの数値は低賃金労働者の場合は5%にまで下落する。「家族と医療休暇法」の対象となる雇用者であっても、無給の休暇では生活が成り立たない。そんな中で、今回のイケアの決定は画期的なものだ。

スウェーデンでは育休480日間

イケアの育児休暇は在職期間によって変動する。1年間以上在職している雇用者は最大3ヶ月の有給育児休暇が取得でき、最初の6週間は基本給の100%が支給。その後の6週間は基本給の50%が支給される。

3年間以上在職の場合は最大4か月の有給育児休暇が取得でき、最初の8週間は基本給の100%が支給。その後の8週間、基本給の50%が支給される。これに加え、全労働者に対し6週間から8週間の短期休暇の取得が可能とされている。

今回の米国イケアの決定は目覚ましい進歩と思えるが、本国のスウェーデンからは大きく遅れをとっている。スウェーデンのイケアの場合、親になった従業員は480日間の有給休暇の取得が可能だ。それでもなお、時給で働く労働者にもフルタイムの雇用者と同じ権利を与えたことは、米国の小売業界の中では大きな前進と言える。

編集=上田裕資

 

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