【対談】マイネット副社長xメタップス副社長「ジャンプより日経新聞が好きだった」

マイネット取締役副社長の嶺井政人氏(左)とメタップス取締役副社長の山崎祐一郎氏


山崎:私は、一代で会社を築いた祖母の背中を見て育ちました。祖母に教えられたのは、「よく遊び、よく学べ」ということ。祖母は今も、その言葉通りたくましく生きています。

初めてビジネスに挑戦したのは、高校1年生の春休みでした。友達と京都の某デニッシュパンの販売ライセンスを取得し、恵比寿に小さな売店を出しました。そうしたら毎日行列ができ、お昼一時間でパッと完売したんです。

それと並行して、当時流行していたインディアンジュエリーの販売もしていました。業者を介してアメリカからビーズを輸入し、パンを売った後に同じ店舗で販売しました。原価1,000円のものが6,000円で売れたときには驚きました。

どちらも「経営をしてみたい」というませた気持ちから始めた商売でしたが、友達の力もあって想像以上の成果をあげることができました。

谷本:その後、それぞれ10代、20代の頃には起業を経験されたわけですが、外資系金融機関を選び、どのようなものを得られましたか。

嶺井:モルガンは最高の環境でした。私のようにベンチャー起業を経て投資銀行へ入行した人は珍しいですが、むしろそれが良い判断だったと感じています。

情熱重視のベンチャーに比べて、投資銀行はロジカルに考え合理的な判断を下す。そのためにマーケット分析や情報収集を徹底的に行います。モルガンでは、そういうビジネスの基礎や世界レベルのビジネス思考を習得することができました。だからこそ今マイネットで、ファイナンスの知見をいかしてマーケットを切り開き、事業をつくれていると思っています。

山崎:外資系の企業は、日本の企業と違って若手に権限を与えます。私も1~2年目の段階から東証一部上場企業の社長や副社長に同行し、海外IR(投資家まわり)の現場を見ることができました。そこで実際に何が行われているのか、どのような会議内容なのか、M&Aはどんないきさつで発生しているのか、裏側を見られて非常に勉強になりました。

ベンチャーは何歳になっても始められますが、外資系金融の場合はほとんどが新卒入社です。圧倒的なスピードで成長できる修行の場に身を置き、数年間勉強をすることは、決して遠回りにはならないと思います。

構成=華井ゆりな モデレーター=谷本有香 写真=藤井さおり

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