多くの人たちがすでに、買い物をする時にはグーグルではなく、アマゾンで商品に関する情報を収集したり、レビューを確認したりするようになっている。最初からアマゾンを利用することが習慣化している人は、他社がより安価でその商品を提供していたとしても、価格を比較せずにアマゾンで購入するようになっている。アマゾンプライムの利便性や知覚価値のためだ。
これは、アマゾンのジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)のたぐいまれな能力に基づく行動のおかげだ。だが、こうした消費者の行動がアマゾンにどれだけの力を与えているかを考えれば、恐ろしいことでもある。
店舗と税収が消える?
ILSRは、アマゾンの高まる支配力は米経済に対する脅威だと主張する。小売業界の独占企業となることで、(実店舗の閉鎖に伴う)固定資産税の税収減につながるというのだ。また、アマゾンが商品を保管する物流センターの倉庫での低賃金での採用が増加している。そのほか、小規模企業の減少は地域社会の活気を奪う。
もちろん、アマゾンはブランドやその他の企業がオンラインで商品を販売できるマーケットプレイス型のプラットフォームや、小規模の小売業者がアマゾンのフルフィルメントサービスを利用できるようにする「アマゾン・フルフィルメント・ウェブ・サービス(Amazon FWS)」など、機会を創出してもいる。これは、白か黒かで判断できる問題ではない。だが、アマゾンが米経済のいくつかの側面において、その強みを増大させ続けていることは確かだ。