ビル・ゲイツが選ぶ、2016年の休暇に必読の書籍5冊

Photo by Chris Hondros/Getty Images

ビル・ゲイツは幼少期から読書好きで知られ、家にあった百科事典を子供時代に完読した。親たちはその後、「ディナーの席では読書禁止」というルールを課したほどだ。

しかし、ゲイツの読書熱はやまず、貪るように本を読み続けた。彼は「ゲイツ・ノート・ブログ(GatesNotes blog)」で読んだ本を定期的に掲載しているが、このほど2016年に感銘を受けた書籍のリストを公開した。その内容は多岐にわたり、ゲイツは「テニスからテニスシューズまで、ゲノム研究からリーダーシップまで」と記している。そのセレクトはゲイツの関心の幅広さとノンフィクションへの愛を示している。

下記にビル・ゲイツが選んだ5冊の本を紹介しよう。

「Shoe Dog」:フィル・ナイト著
フィル・ナイトはナイキの共同創業者で会長を務め、今年6月に退任した。ゲイツはナイトの回顧録である「Shoe Dog」を、ナイキ成功への道のりを赤裸々に描き、様々な過ちや不注意が引き起こした混乱を包み隠さず描いている点を評価している。

「String Theory」:デヴィッド・フォスター・ウォレス著
トマス・ピンチョン以降のポストモダン文学の旗手と呼ばれるウォレスが、テニスについて書いたエッセイ集。ゲイツはマイクロソフト時代にテニスをやめたが、ここ最近になって再びプレイしているという。(未邦訳)

「遺伝子 個人的な生い立ちについて」:シッダールタ・ムカジー著
医師でありピューリッツァー賞受賞作家であるムカジーがゲノム科学に絡む問題について執筆したノンフィクション。ゲイツによると「最新のゲノム科学が引き起こす倫理的課題を浮き彫りにしている」という。
※原題「The Gene: An Intimate History。近日邦訳が刊行予定

「The Myth of the Strong Leader」:アーチー・ブラウン著
ブラウンはイギリスの政治学者。邦訳された著書としては「共産主義の興亡」がある。「The Myth of the Strong Leader」は2014年の著作で偉大なリーダーたちについて書かれた書物。ゲイツによると「歴史に多大な貢献を果たしたリーダーらは、世間が思うほど強い人間ではなかったことを示している」という。「彼らはむしろ周囲の人々と協調し、意見に耳を傾ける人物だったことが分かる」としている。(未邦訳)

「The Grid: The Fraying Wires Between Americans and Our Energy Future」:Gretchen Bakke著
文化人類学者のGretchen Bakkeが米国のエネルギー事情について執筆した書籍。ゲイツは高校時代に最初に手がけた仕事が、電力事業者向けのプログラムを書くことだったため、電力問題には特に関心が強いという。「この本を読むことにより、電気がいかに現代人の暮らしを変えたか。また、そこにどのような課題があるかを理解できる」としている。

編集=上田裕資

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