人工的にも見える体に驚くような羽を付けたモデルたちがランウェイを飾るこのショーは、観客たちを決して落胆させることのない、ホリデーシーズン最高のイベントの一つだ。有名アーティストらも招かれ、パフォーマンスを披露する。今年はグラミー賞を受賞したザ・ウィークエンドやレディー・ガガ、ブルーノ・マーズなどが出演した。
モデルは過去最多となる52人。今をときめくジジ・ハディッドやケンダル・ジェンナー、ジョアン・スモールズのほか、「エンジェル」と呼ばれる看板モデル、アドリアナ・リマ、アレッサンドラ・アンブロジオ、リリー・オルドリッジなどが同ブランドのコレクションの中から82のランジェリーを身に着けてステージを歩いた。
ショーには毎回いくつかのテーマが設けられるが、今年は「ダーク・エンジェル」「シークレット・エンジェル」「ピンク・ネイション」「マウンテン・ロマンス」「ナイト・エンジェル」などの6つだった。
舞台裏の様子は?
筆者はこの世界で最も有名なキャットウォークを、ステージからほんの数列離れただけの距離で見る機会を得た。また、舞台裏の様子も見ることができた。
ショーが始まる前の楽屋は、ドライヤーの熱風や自撮りをする大勢のモデルたちで熱気にあふれていた。メイクをしてもらい、ヘアスタイルを整えてもらうモデルたちは落ち着いているが、ショーの前の興奮はその全身からあふれ出ていた。
ジジ・ハディッドとベラ・ハディッドは、初めて一緒にランウェイを歩く姉妹として、この日の注目の的だった。ジジに今回のショーについて尋ねると、「今日起きることの中で一番大切に思うことは、ショーの直前にみんなが羽を付けること。友人たち全員の夢が実現するところを見るのは、とても素晴らしいことだわ。まさに感無量ね」と話してくれた。
モデルたちはスクリーン上で見るのと同じように完璧だが、このキャットウォークに出場するまでの道のりは、決して“ケークウォーク(簡単なこと)”ではない。重いもので9㎏以上もあり、価格が数百万ドルにも上る貴重な品を身に着けてステージを歩くのだ。出演したモデル52人のうち、羽を付けたのは43人。中には幅が2メートルを超えるものもあった。
また、筆者はこのショーが初めから終わりまで、気さくな雰囲気で進むことに驚かされた。その場にいる人たち全員の強い仲間意識が感じられた──観客が声援を送る中、拍手を受けて楽屋からステージへと向かうモデルたちは、お互いの顔を見合って微笑み、手をつないでランウェイを進んでいく。