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田坂広志の「深き思索、静かな気づき」


しかし、この「シンクロニシティ」と呼ばれる現象は、多かれ少なかれ誰もが経験しながらも、科学的には、そうした現象が起こる原因は解明されておらず、多くの場合、その現象の存在そのものも「単なる偶然」や「単なる思い過ごし」と分析されている。

もとより、こうした現象を過度に評価し、安易な「神秘主義」に陥ることは避けるべきであるが、多くの「成功者」が、この「シンクロニシティ」という言葉を使うか否かにかかわらず、人生における「不思議な偶然」を感じ取り、それを「何かを教えてくれているような気がした」や「天の声ではないかと感じた」という形で、その後の行動や進路の選択に生かしていったことは確かであろう。

されば、我々が学ぶべきは、「シンクロニシティという現象が存在するのか否か」という答えの無い議論ではなく、「成功者」と呼ばれる人々の多くが身につけている「人生において与えられた出会いや出来事の意味を、一度、深く考えてみる」という姿勢であろう。

そして、ひとたび我々が、その姿勢を身につけるならば、人生における、ささやかな出会いや出来事の中にも、不思議なほど、大切な意味があることを感じ始めるだろう。

そのとき、我々は、「精神の成熟」への道を歩み始めている。

文=田坂広志

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