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2016.12.02 18:00

退任表明のスタバCEO、今後は「米国のためにも活動」 政界進出は否定


シュルツは企業が利益に見合った慈善活動を行うべきであるとの考えについても、率直に語ってきた。社内では何年も前から、従業員を対象としたいくつもの社会的支援を行っている。

軍基地の中に店舗を構え、退役軍人や現役の兵士の配偶者らを雇用しているほか、2014年にはバリスタやその他の従業員たちの就学支援プログラムを開始した。アリゾナ州立大学の通信教育課程で学び、修了すれば学位を取得できるというものだ。学費はスターバックスが負担する。今年7月には、医療保険の適用範囲を拡大し、パートタイムの従業員を含め、条件に該当する人たちを新たに加入させる方針も明らかにした。

CEOからの退任で、政治家への転向の可能性に関する憶測はほぼ確実に高まるだろう。だが、シュルツは「会社を離れるわけではない」と明言。うわさを否定している。

政治家にはならない

「私たちはただ単に、株価を上げるために存在しているわけではない」──シュルツは今年3月、フォーブスの特集記事に向けた取材の中で、こう述べた。

「社会的利益のためにわれわれの強みを生かすとすれば、私たちには何ができるだろうか?」

本人と周囲の人たちがどれほど「そんな気はない」と強く否定しても、いずれシュルツが公職に立候補するのではないかとの憶測が消えないのは、こうした発言のためだ。

先の米大統領選の2日後、シュルツはインタビューの中でこうした自身の考えを改めて強調した。

「私の根底に基盤としてあるのは、“アメリカの約束”とこの国の大志だ。私はこの国の将来を案じている。今ある一市民の立場で、その大義を推進するためにできることがあるとすれば、それこそ私がこれから挑戦することだ」

編集 = 木内涼子

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