いま旬のビジネスモデルである情報キュレーションアプリを率いる、東大大学院卒の若き起業家の描く新しいアプリ像とは。
(中略)福島は構想の背景を次のように話す。
「スマホユーザーが1年間でダウンロードするアプリは8個、1カ月間で10回以上使うアプリが9個と言われています。つまり、便利なサービスが開発されても、ユーザーの手元へ届いていない。こうした問題を解決し、その人に価値ある情報を届けたい。我々の思いは創業当初から変わりません」
グノシーのサービスは11年、当時東大院生の福島、関喜史、吉田宏司らによって開発された。1年後の登録ユーザーは数万人、その6割が毎日利用していた。
「ここまで日常的に使われるサービスはほかにないのではないか」。福島はある企業から内定を受けていたが、翌12年に法人化へ踏み切った。
自分はこれで成功するしかない、と思考が切り替わったという。もちろん周囲には止める者もいたが「他人の言うことは良い意味で信じない。正しいことを言う人ばかりだったら、この世の中はもっと成功しているはずだ。間違った考えをしている人のほうが多い」という大前提に立って決断した。
「海外では20代がつくったサービスが時価総額1,000億円で評価されている、と知ると、野心のある人は『あいつにできるなら俺にも』と考えるはずです。周囲を見ても、そういう志向は加速していると思います」