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2016.12.07 08:00

もう一人の「アジアのトランプ」、インドネシアのメディア王が集める注目

photo by Jeff J Mitchell / gettyimages

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インドネシアの富豪ランキングに入る人たちの中で、米国の次期大統領ドナルド・トランプとビジネス上の緊密な関係があると胸を張って言うことができるのは、ハリー・タノスディジョだけだ。

タノスディジョは2015年8月、トランプが手掛ける最高級ホテル・ブランド「トランプ・ホテル・コレクション」と契約。バリ島南西部の海岸沿いの100ヘクタールの土地に、アジア初となる同ブランドの6つ星高級リゾート・住宅地の開発を共同で行うことで合意した。完成は2018年の予定だ。沖合には、観光客に人気のタナロット寺院もある。

タノスディジョはその契約締結の約1か月後、トランプが同国の首都ジャカルタの約100km南に位置する成長目覚ましい都市、スカブミで手掛ける高級リゾートの開発についても合意した。リゾート内にはプロゴルファーのアーニー・エルスが設計し、公式トーナメントが開催可能な規模のゴルフコースやクラブハウス、スパ、高級コンドミニアム・ヴィラなどが建設される。これらは全て、「トランプ・ブランド」の名を冠したものとなる。

トランプの大統領選での勝利後、タノスディジョの元にはコメントを求める多くのジャーナリストらが詰め掛けた。だが、同氏は目立った言動を控えている。一方、タノスディジョが経営するメディア企業は、トランプの勝利を祝うと共に、「事業とトランプの政治キャリアは切り離して考えている」との短い声明を発表した。

フォーブス・インドネシアは1年ほど前、タノスディジョからトランプについて話を聞いていた。トランプのビジネスのやり方については、「非常に単刀直入だ。それが最も印象的な点だ」と話していた。

「大統領」目指すのも同じ?

トランプと同様、タノスディジョも政治に関心を示している。昨年にはインドネシア統一党(United Indonesia Party、Persatuan Indonesia:Perindo)を結党した。トランプとの関係がタノスディジョの政治活動の助けになるかどうかは分からない。だが、それでもインドネシア証券取引所では彼が関与する企業の株価が米大統領選の直後に上昇。中には20%高を記録したものもあった。

タノスディジョの保有資産は、1年前から1億5,000万ドル増えている。

編集 = 木内涼子

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